「赤ちゃん体重ベア」コロナ禍で人気 孫に会えない祖父母へ贈る

鈴木みのり (2021年2月17日付 東京新聞朝刊)

コロナ禍で需要が伸びている赤ちゃん体重ベア=千葉市中央区で

 赤ちゃんが生まれた時の体重を再現したクマのぬいぐるみ「赤ちゃん体重ベア」の売り上げが好調だ。新型コロナウイルスが感染拡大する中、結婚式の贈り物としての需要は減ったが、孫に会えない遠方の祖父母に贈るなどの事例が増えている。 

結婚式用のキャンセルが続いたが…

 ぬいぐるみ製造販売会社「ドリーム・ワークショップ」(本社・東京)の千葉市中央区の支社内には、インターネットで販売する大小さまざまのぬいぐるみ約50個が棚に並ぶ。同社では20年ほど前から、赤ちゃんの体重と同じ重さの「テディベア」のぬいぐるみを製造、販売している。

 これまで、結婚式で新郎新婦が親に感謝の気持ちを込めて、自分の生まれた時の体重のぬいぐるみを贈るための注文がほとんどだったが、新型コロナの感染が拡大した昨年3月以降、結婚式の延期が急増。ぬいぐるみの注文キャンセルが相次いだ。

オンラインではできない「抱っこ」

 代わりに増えたのが、帰省自粛で孫に会えなかったり、出産後、なかなか赤ちゃんに会えなかったりする親戚や知人に贈るための注文。現在の売り上げは、昨年4、5月の緊急事態宣言期間中の3倍ほどになるという。

 ドリーム・ワークショップの石井正之支社長(57)は「オンラインで顔を見られても、赤ちゃんを抱っこすることはできない。出産報告の代わりにぬいぐるみを贈る人が増えているのだろう」と話した。

 人気商品「体重ベア スタンダード」は1万~2万円(税込み)。大手通販サイト「楽天市場」などで購入を受け付ける。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年2月17日