低出生体重児のためのリトルベビーハンドブック 神奈川県が来年2月から配布へ

志村彰太 (2022年12月10日付 東京新聞朝刊)

リトルベビーハンドブック作成の検討結果を首藤副知事(右から2人目)に手渡す検討会のメンバー=神奈川県庁で(県提供)

 出生時体重が2500グラム未満の「低出生体重児」の成長を記録できる手帳「リトルベビーハンドブック」の作成に向けて、当事者団体「かながわリトルベビーサークル pena(ペナ)」や専門家らでつくる検討会は8日、手帳の原稿を神奈川県に提出した。これを基に県は来年2月にもハンドブックの配布を始める。

NICUのある病院や役所で配ります

 penaは昨年10月、黒岩祐治知事にハンドブックの作成を要望。神奈川県立こども医療センターが中心となり、低出生体重児を育てる保護者ら3000人へのアンケートや、検討会の意見を盛り込みながら完成させた。

黒岩知事(右)に寄せ書きなどを手渡したpenaのメンバーら=2021年10月、神奈川県庁で

 ハンドブックは66ページで、新生児集中治療室(NICU)のある病院や市町村の役所で配布する。「初めて何かをできた日」の自由記述欄や、体重ゼロキロ、身長10センチから書き込める成長曲線を盛り込んだ。また、生まれた日を出産予定日を基準に換算する「修正月齢」の計算方法、先輩家族からのメッセージ、双子と三つ子に関する情報も載せた。

 神奈川県によると、原稿を受け取った首藤健治副知事は「どう活用するかが大事。引き続き仲間として協力してほしい」と話した。penaの坂上彩代表=平塚市=は取材に「リトルベビーハンドブックは、たくさんの人が求めている一方で必要性が知られていない面もある。県には私たちがどんな思いで作ったのかも含めて伝えてほしい」と語った。