〈2024年度予算案から〉横浜市 出産費用を最大9万円助成、夏休みの児童クラブに昼食提供
国の出産一時金50万円とは別に
2021年の市長選公約の一つ「出産費用ゼロ」実現のため、国の出産育児一時金50万円とは別に、出産費用を最大9万円助成する独自事業を始める。
横浜市の調査によると、市内の公的病院で要する出産費用の最大値は約57万6000円となっており、産科医療補償制度の掛け金1万2000円を含めてカバーできるようにする。4月以降に出産した市民が対象で、20億5600万円を盛り込んだ。
1食400円程度、スマホで注文
保護者が保育園に持って行く荷物を減らす事業も新たに行う。替えのおむつを園に届ける民間サービスの利用料や、布団を持参せずに購入する際の費用の一部を保護者や施設に補助する。使用済みおむつの処分費助成も含め、6億2300万円を計上した。
小学生が放課後に通う市内全域のキッズクラブや児童クラブでは、夏休みの昼食提供を試験的に実施する。民間の配食サービスを使い、希望する児童に1食当たり400円程度で用意する。スマートフォンで注文・決済できるシステム開発費用を含めて2億8100万円を投じる。
地震防災対策、脱炭素化も強化
地震防災対策では家具の転倒やブロック塀の破損、建物の倒壊などの被害を防ぐ対策に計16億6700万円、火災による被害の軽減に9億1400万円をそれぞれ充てる。感震ブレーカーの設置補助を一部の指定地域から市全域に拡大。木造住宅居住者を対象にした防災ベッドなどの設置費用補助は、前年度の4倍の1000万円とした。
脱炭素化への取り組みでは、これまで「燃やすごみ」に分類していたプラスチック製品を「プラスチックごみ」に変えてリサイクルし、二酸化炭素の排出削減につなげる。10月から9区で先行実施し、来年4月から全18区に広げる。
2024年度からは組織も再編。「データに基づく市政運営」を進めるため、政策局を政策経営局に改め、総務局から行政評価のチームを移管する。脱炭素・GREEN×EXPO推進局、みどり環境局、下水道河川局を新設する。
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