3歳の妹まで…ゲームが子どもを引き付ける絶大な力に戦慄〈古泉智浩さんの子育て日記〉26
兄と父が「モンハン」しているのを見て
小学1年の養子のうーちゃんにゲーム「モンスターハンター」をやっているところを見つかって以来、うーちゃんも自分のアカウント「バクレツマン」でプレーするようになりました。しかし、モンスターが現れると、コントローラーを僕によこして戦わせます。僕が退治すると、うーちゃんがモンスターから皮や爪を剥ぎ取って次の狩りの準備をします。ゲームのやりすぎはよくないので、毎日2プレーまでと決めています。
そんな僕とうーちゃんの様子を横で見ていた3歳の里子のぽんこちゃん。部屋の外に出て行ったと思ったら、戻って来て「おしっこもらした」と言います。慌ててゲームを中断して現場に行くと、おしっこの水たまりがあります。
赤ちゃん返りでしょうか。僕とうーちゃんが夢中で遊んでいるのが面白くないようです。だからといって、うーちゃんに「ゲームはぽんこちゃんがいない時だけ」と限定することもできません。ぽんこちゃんも仲間に入れて、時々コントローラーを持たせてあげることにしました。
しかし、3歳児に複雑な操作はできません。ゲームの空間を行ったり来たりして、ゲームの中の人物に話しかけたりするだけです。毎回同じルーティンを一通り終えると飽きてしまい、「もうゲーム終わり」と言います。
ゲーム禁止になった兄が、猫なで声で…
そんな8月の終わり、うーちゃんは「夏休みの宿題が終わるまでゲーム禁止」とママに言い渡されました。ところが、ぽんこちゃんは「ゲームする」と言います。アカウントを作ってあげると、金髪のお姉さんを選んで「こいずみぽんこ」と名付け、ますます熱心にやりたがるようになりました。
いつもは「ぽんこ、僕のおもちゃに触るな」と言っているお兄ちゃん。なのに、自分がゲーム禁止なので、他では聞いたことのない猫なで声で「お兄ちゃんが教えてあげようか」と言ってコントローラーを奪います。
おばあちゃんやママには、「3歳児にはまだ早い」とあきれられています。全く同感で、僕も本格的にゲームをやってほしいわけではないのです。モンスターハンターはお兄ちゃんにもまだ早いゲームです。子どもや幼児にも楽しく遊ぶことができるゲームもありますが、それをさせようとは全く思いません。
それにしてもゲームが子どもを引き付ける力はあまりに絶大で戦慄(せんりつ)します。できることなら遠ざけておきたいものです。(漫画家)