新しい少年野球チームでうれしい衝撃 少ない当番「やれる人がやれば」〈古泉智浩さんの子育て日記〉43

(2023年5月31日付 東京新聞朝刊)

新チームの体育館練習で、シャトル打ちに励むうーちゃん(手前)

お迎えに来てくださればいいですよ

 僕ら夫婦の団体行動ができない気質が原因で、小3のうーちゃんは4月、地元の少年野球チームを辞めざるを得なくなってしまいました。とはいえ野球は続けてほしいので、野球教室2軒、地元以外の子どもも受け入れてくれている野球チーム2軒の体験練習に参加してみました。そして今は、自宅から車で20分の小学校の少年野球チームで活動しています。都市部で転勤族が多く、数年前までは子どもが6人にまで減って存続の危機にあったそうです。

 うーちゃんを体験に連れて行った時のことです。「お父さん、用があるなら行ってください。お迎えに来てくださればいいですよ」。開口一番そう言われ、衝撃を受けました。地元のチームは、仕事がなければ練習に付き添っているのが基本でした。

 土曜日の午後の練習でしたが、子どもが20人に対して、大人は6人。お母さんはお迎えに来るだけでした。お茶くみなどはありません。氷の当番もなく、飲み物は各自用意してきています。練習に参加している大人でチームのユニホームを着ているのは1人だけで、帽子も各自バラバラで、かぶっていない人もいるし、短パンの人までいます。まるでアメリカです。

鍛えた守備で戦力に 公式戦に出場

 前のチームでは自分が他のパパさんたちと距離を置いたため、居づらかった面があります。今回は失敗できません。グラブを持って積極的に球拾いに参加しました。新しいチームの練習は午前か午後の半日だけなので、そのくらいなら対応できます。絶対に出席が必要な当番は2カ月に1回。申し訳ないくらいに少ない! 親の負担は不平等になるけれど、やれる人がやれば良いという考えで、それ以上に子どもを集めたいようです。

 うーちゃんは地元チームで鍛えてもらっていたおかげで、特に捕球と送球が上手。少年野球では守備がうまくないと試合にならず、戦力として歓迎されました。6年生がいないこともあり、AチームではDH、Bチームでは1番ショートとして公式試合にも出場。ライナー性のフライをダイレクトキャッチするなど、チームに貢献するプレーを見せました。

 僕が体験申し込みの連絡をした時、みんなとても喜んでくれたそうです。うれしいのは受け入れていただいたこっちの方です。卒業までこのチームでお世話になりたいと強く願っています。

【前回記事】親の負担が重い少年野球 本当は応援したいのに…辞めました →こちら

みなさんの声を受けて、編集チームが取材しました

「学童野球の親の負担が重すぎる」に反響続々 練習付き添い、お茶当番、車で送迎…一切なくしたチームも →こちら 

古泉智浩(こいずみ・ともひろ)

 漫画家。養子の8歳男児うーちゃんと、5歳女児ぽんこちゃんを育てる。

コメント

  • 過ぎてしまえば 思い出に。〜とは言え毎日の練習 土曜日曜は試合に。夫婦共働きでこれでは大変で疲れてしまいますね。教えている人の家族も大変です。 それでも頑張る子もいる訳で〜 良い知恵は浮かびませ
    孫世代 女性 70代以上 
  • 我が家も同じ様な理由でチームを辞めました。参加が難しい日は、主人が代わりに参加すると伝えると、母親でなければ駄目だ。親が参加しないのであれば試合には出せないと複数人に囲まれ責めらました。 今は我
    お母さん 女性 40代