ついに漫画の世界へ…「ドラベース」で野球に夢中〈古泉智浩さんの子育て日記〉27

(2021年10月15日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

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漫画がきっかけで野球をするようになったうーちゃん

裏の空き地で「満月大根斬り!」

 小学1年の養子のうーちゃんが野球に強い関心を抱いています。去年のクリスマスに子ども用のグラブとボールのセットを贈った時には全く喜ばなかったのに、急にそのボールを使ってバッティングをして遊ぶようになりました。赤いバットは、ダイソーで200円で買ったものです。

 うちの裏には古い工場を壊した空き地があります。僕がボールを投げ、うーちゃんが「満月大根斬り!」と叫びながら打ちます。「パパ、ホワイトボール投げてよ」などとも言います。

 何のことかと思ったら、学童保育に置いてある漫画『ドラベース』を読んで急に野球に興味を持ったようです。未来の世界で、「クロえもん」や「シロえもん」といった、いろいろな猫型ロボットが野球をする漫画です。

 うーちゃんには前から漫画を読む楽しさを知ってほしいと願っていました。『はじめてのドラえもん』という漫画を初めて読む子ども用の本も買っていましたが、見向きもせず、『ドラベース』で漫画を読むようになりました。僕にも読むように勧めます。

僕に要求「フォークボール投げて」

 「4巻が最高に面白いよ」と言うので、コミックレンタル店で借りました。児童向けなので、正直なところ大人はそれほど夢中になれないのですが、うーちゃんが読んでいる世界を共有したいので読んでいます。僕が読んでいると横から覗(のぞ)きこんできて、これから読むコマのセリフを読み上げたり、「クロえもんが打つよ」と先の展開を話したりするので「やめてよ」と声を荒らげてしまいます。

 こうして、裏の空き地で野球をするようになりました。うーちゃんは細かく指導するとすぐにヘソを曲げるので、「お、いいね」「上手」とひたすら褒めます。僕には「フォークボール投げて」とむちゃを言ってきます。確かに漫画ではごくごく普通に変化球を投げていて、それ以上のとんでもない魔球も描かれていますが、こちらとしてはストライクゾーンに投げるだけでも大変です。

 しかし、ボール遊びに積極的に親しんでくれていれば、全く何もしないよりも球技に対して苦手意識が減るはずです。漫画を読む喜びも知ってくれて、『ドラベース』は、本当に素晴らしいものをもたらしてくれました。毎朝、大谷翔平選手のニュースにも関心を示すようになりました。ただ休日に釣りに誘っても、野球がいいと断られます。せっかくのシーズンを逃してしまいそうです。(漫画家)

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