夏休みの自由研究、うちはこんなテーマでやりました 編集チームぶっちゃけ座談会 親の役割、大切なことは?
B:小学5年と保育園児の母親(30代)
C:小学2年と保育園児の母親(30代)
D:小学2年と6年の母親(40代)
E:幼稚園児の父親(40代)
F:小学3年、5年と保育園児の母親(40代)
G:保育園児の父親(30代)
H:子どものころの記憶の鮮明さがチーム随一の男性(40代)
学校公開もあるから、見栄を張りたくなるけど
A 自由研究といえば、今も昔も、調べたり、発見したりしたことをでっかい模造紙に書いて持って行く、というイメージだけど。
F 最近は「掲示するスペースがないから模造紙はやめて、A4サイズのレポートにして」と学校から言われますよ。
C まとめ用のフォーマットもアマゾンで買えますよね。
A えー、そうなの? うちの子の学校は1年生から自由研究が課題として出るけど、みなさんどうですか。
D うちの子の学校は、1、2年生はマストではないです。賞が出たりする学校もある?
A ありますよ、学年で最優秀1点、優秀賞2点、みたいに。
D 通知表には反映されないよね。
B そうですね。でも成績に関係なくても、展示されて、学校公開とかで保護者の目にも触れるから、やっぱりちょっと見栄を張っちゃう。
C 分かる~。頑張りすぎるてるのも嫌だし、でも、明らかにひどいのも嫌だ。あと、論文調だったり、やたら精巧な工作だったり、明らかに「子どもがやってないじゃん」って分かるようなのは嫌ですよね。ほどよく子ども感が出てないと!
親はどこまで関わるべき? 付け足し、誘導…
E 来年息子が1年生だけど、とても一人でできるとは思えません。親の関わり具合って学校によって違うんですか?
D こないだの2年生の息子の個人面談で、先生に「何をすればいいんですか?」と聞いたら、「自由です」ときっぱり。ただ、「テーマだけは、子どもがやりたい!というものにしてほしい」と話していたのが印象に残りました。
A そこは大事だね。
D 前に、2年生くらいの女の子がアイヌをテーマにまとめたっていう話を聞いて。それ自体はすばらしいんだけど、2年生でそれ自分でチョイスするかな~と思ったりもしました。まあ結局、うちの2年生男子は「今年も工作にする」だそうです。
E 工作は自由研究にはならないんですか?
B 低学年のうちは工作でもOKとか、学校によるみたいですよね。うちは5年生だけど、男子の間で学校に持っていって「すげ~」と人気になるのは工作みたい。去年はロボットを作ってきた子がクラスで人気だったのを見て、今年は工作にする、と言ってます。でも工作は低学年だけ、という学校もあるよね。
F うちの子の学校は高学年でも工作や手芸もOK。ただ、設計図とか感想、反省などもリポートにすることが条件です。
E 興味のあることをテーマにするのが大事っていうのは分かるけど、自発的にテーマって出てくるもんなんですか。うちの子の今の感じだと、ポケモンになりそう…。
B あ、でも「妖怪ウォッチ」を自由研究にしているのを聞いたことありますよ。でも私自身はキャラクター系にはちょっと…抵抗が…。
D 「その子の素でいいじゃん」っていう勇気が親に出ないのは何でだろうね。
B 去年は息子が、普通の水よりも沸騰させたお湯の方が早く凍るっていうのをテレビで見たから自分でも調べると言って。だけど、観察するのに冷凍庫の扉何回も開けすぎて、なかなかうまく凍らず…。写真を撮っても、見た目がほとんど同じで、よく違いが分からないという(笑)。
結論がぐだぐだになってきたので、その理論を解説したサイトを見つけて、「実験はうまくいかなかったけど、こういう理論があるというのを調べました」って付け足しさせちゃいました。アハハ。
「数字を1から足したらどこで1000になる?」
A うちは3年生まではコミットしたけど、4年生からは基本自分でやって、ということにしました。けっこうすごいことになってましたけどまあいいやと。5年生では、家にある調味料を総動員して組み合わせて、どのドレッシングが一番おいしいか調べる、というのをやってました。写真がかなーり地味。でも先生のノリが良くて、「先生はこの味が好きそうだな」とコメントしてくれててありがたかったです。
E Cさんの娘さんの1年生のときの自由研究もいいですね~。おばあちゃん家がある青森訪問記。写真にキャプションとかついてるのは、新聞社っぽいけど…親のアドバイス?(笑)
C キャプションは「入れておこうか」みたいに誘導しました(笑)。
B 文房具屋さんとかに行くと、キットも売ってますよね。図書館などの公共施設や民間企業も「自由研究になります」っていうイベントがすごく多い。各種サービスを利用しようと思ったらいくらでもありますよね。
D でもそういうワークショップって、これとこれをこうしたらこうなります、というもの。フォーマットが決まってる。なんかそれじゃないっていうか…。
F 3年生の長男が今年、「数字を1から順に足してみたい。どこまでいったら1000になるのか」って言ってます。数が好きで万歩計も毎日つけているような子なんだけど。夏休みが始まる前からすでに足し始めてます。
A すごーい、それはいい!
C まさに「どうなるんだろう?」っていう子ども発の気持ちがスタートですよね。
「なぜわが家の洗濯物は片付かないのか」
A 上司から聞いた感動的な話では、「おじいちゃんと僕の足の形が違う」っていう「発見」をした男の子が、そこから、人類には足の形に何種類かの系統がある、ということを調べていったと。先生が絶賛していたそうです。
F 息子が1年生のとき、いろいろな動物を折り紙で折って、「生き物ランド」を作ったのは面白かったですよ。折り紙が好きで、2年生だった去年は、恐竜の全身骨格を作ってました。
D うちの息子は、1年生の昨年はプリン作りをしてその工程をまとめました。途中、電子レンジでラップがパーンとはじけたりするハプニングも、これまたよし。写真でも記録しました。
6年生の娘は今年「私、介護のことやろうかな」って。病気で入院した私の父が、少し介護が必要かな、という感じになって、介護ベッドを入れたりと準備を見ていて関心を持ったみたい。「じいじは退院したらお酒を飲む、と言ってるけど、じいじがお酒を飲まないようにするにはどうしたらいいかも考えたい」そうです(笑)。
ちなみに昨年のテーマは「なぜわが家の洗濯物は片付かないのか」でした。家族会議もさせられて、あとでまとめを見たら、私が「母ちゃんはやりたくない」ばっかり言ってて冷や汗…。
ギリギリ派「8月31日だけでできるものは…」
A 自分の子ども時代にやった自由研究で覚えてるものってありますか?
F 私はギリギリまでやらない子でした。8月31日の、それも午後は遊びにいきたいから、午前中にできることはないかと知恵を絞って、旅行で拾った石を削って砂絵にしたことがあった。まあまあうまくいって「やった!」と思ったけど、翌日学校に持って行ったら、砂がほとんど落ちていた…。
A 先生はなんて?
F 怒られたりしませんでしたよ。自由研究のことで怒られたり、ダメだしされたりすることって今も昔もないですよね?
D 廃油でせっけんを作るっていうのは覚えてる。苛性ソーダを入れたりして作るやつです。だけど、うちの廃油、いろんな油が混ざってたみたいで全然固まらなくて、どろっとした奇妙な物体に…。母を恨みました。
G ハツカダイコンの種をまいて育てるのに、水以外にジュースとか牛乳とかをやったらどうなるのか、っていうのは覚えてる。水以外は芽も出ませんでした。
C それで思い出した! 私は家政大の姉のアドバイスで、モヤシを水だけで育てるのと、合成洗剤や中性洗剤を加えた液体をかけて育つかどうか観察する、というのをやったなあ。
H 10年以上前ですけど、大人になってから、ペットボトルでアボカドの種を発芽させる方法を個人ブログに書いたんですけど、いまだに夏休み前になると閲覧数が増えます。「身近にある材料」を使い「簡単にできそう」なのがいいのかも。「説明イラスト」をつけるのがポイントだと思います。
衝撃…夏なのに「エアコンを分解してみた」
B 毎年、「こんなにすごい自由研究」みたいなのが話題になりますよね。以前にある先生から聞いて驚いたのは、エアコンが大好きな子が家のエアコンを分解して、どのメーカーがいいのかを調べたという話。
G 一番エアコンを使いたい夏場にそれをさせてあげる親、えらい。
C 子どもの学校で、虫かごにカブトムシがポンと1匹入ってる、っていう作品もありました。あれはどういう意図だったんだろう…。
B 調べ学習コンクールやアイデアコンクールもありますよね。
F 狙ったわけじゃないけど、「アイデアコンクールにちょうどいいから出さない?」と先生から声が掛かったことがありました。娘が食卓で宿題をしていると、ご飯のときに全部片付けるのがめんどくさい、と。いすのうしろに筆記用具とA4サイズのノートが入る布製のいすカバーを作ったんですけど。
D コンクールに出したいんだったら、何がポイントになるのか聞いておくのはいいかもね。
「きっかけ」と「学び」があればそれでOK!
A 毎夏、なんだかおおごとに感じるけど、実際のところ自由研究って、先生がダメだしすることもないし、何でこれをやるのかっていう「きっかけ」「動機」の部分さえあれば、いいのかもしれない。それがあれば、実験が失敗に終わっても、思い描いていたまとめにならなくてもいいのかも、と思えてきます。
D それぞれの子どもなりに少しでも「学び」があったらそれでOK、と親もとらえられればいいのかも。私たち親の方が「自由」なのが怖くて、結論ありきでまとめさせようとしちゃうけど、そこをグッと我慢して、子どもたちがとことん突き進むのを見守れたらいいですね。それでも賞が取りたい!という家庭は、学校の傾向をリサーチを!
C 調べ方も今はネットで、が多いと思いますが、新聞もぜひ使ってほしいですね(宣伝です!)。
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