川口の高1男子が自殺「教育委員会は大ウソつき」 中学時代のいじめに悩み、過去に3度の未遂

(2019年9月9日付 東京新聞夕刊に一部加筆)

男子生徒が「9/6」の日付とともに「教育委員会は大ウソつき」と書いていたノートのコピー

 中学時代、いじめを苦に3度自殺未遂し、障害を負った埼玉県川口市の高校1年男子生徒が、7日深夜から8日未明の間に自殺を図り死亡したことが、遺族らへの取材で分かった。遺族らによると、男子生徒は市立中学時代のいじめが解決しないことを悩んでいたといい、自室から「教育委員会は大ウソつき」「今度こそさようなら」などと書いたノートが見つかった。

深夜、マンション最上階から飛び降りか

 亡くなった男子生徒は、小松田辰乃輔(しんのすけ)さん(15)。

 遺族らの話によると、小松田さんは7日深夜から8日午前1時ごろの間に、泊まっていた市内の祖父母宅からいなくなった。8日午前1時20分ごろ、近隣マンションの敷地内に倒れているのが見つかり、間もなく死亡した。最上階から飛び降りたとみられる。

 ノートは小松田さんが祖父母宅からいなくなった後、母親が小松田さんの自室から見つけた。

男子生徒が残したノートには「いじめた人を守ってウソばかりつかせる」「ぼくの味方は家ぞくだけ」とも書かれていた

市立中に入学、すぐにサッカー部でいじめ

 遺族らによると、小松田さんは市立中学校へ入学間もない2016年5月ごろから、サッカー部内で悪口や仲間外れ、かばんをスパイクで踏み付けるなどのいじめを受けた。

 同年9月初めに担任へ手紙でいじめを訴え、一部の生徒は謝罪したが、学校はいじめとして扱わなかった。小松田さんは同月19日に自宅で首をつり、救急搬送された。その後も学校や市教委が解決へ動かないことに失望し、飛び降りなど2度の自殺を図り、脚に重い障害を負ったという。

学校はいじめと認めず…「苦しんでいた」

 市教委は、最初の自殺未遂があった1年2カ月後の2017年11月にいじめの有無などを調べる第三者委員会を設置したとするが、小松田さん側は知らされていなかった。審議状況の説明や事情聴取も、現在まで一切ないという。

 進学した高校には欠席せず通っていたが、親族の一人は「中学時代のいじめや市教委にうそをつかれたことが常に頭から離れず、苦しんでいた。悔しい」と話した。

 川口市ではこの男子生徒とは別に、市立中学校の元男子生徒が、いじめで不登校となったのに学校や市教育委員会が適切に対応しなかったため、不登校が長引いたとして、市に損害賠償を求める訴訟を起こしている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年9月9日