コロナ休校でネット授業…でも児童養護施設はPCが足りない 渋谷のNPOが寄付金募る

(2020年4月19日付 東京新聞朝刊)
 親と暮らせない子どもの学びや自立を支援するNPO法人「ライツオン・チルドレン」(渋谷区)が、東京都内の児童養護施設にパソコンを寄贈するための寄付金を募っている。新型コロナウイルス対策の休校の長期化で、一部の学校がビデオ通話などでの授業を始めているが、施設はパソコンやインターネット環境が不十分という。「子どもたちの学習の選択肢を増やすために支援を」と訴えている。

ライツオン・チルドレンのホームページ

都内の施設で計160台のPCが不足 

 休校のため、1日中、施設内で過ごす子どもが少なくない。休校が長引き、授業や家庭との連絡にビデオ通話やメールを使い始める学校が増える一方、子どもが使えるパソコンやインターネットの整備が足りない。

 ライツオン・チルドレンは9、10日、東京都内の児童養護施設56カ所にアンケートを実施した。その結果、直ちにパソコンを必要としているのは25施設あり、計160台が必要なことが分かった。アンケートでは、「学校からの連絡や宿題でパソコンを使用しなくてはならないケースが増えている」「施設に一台のパソコンでは不足」などの声が上がった。

「オンライン化で格差助長の恐れ」

 立神由美子理事長は「情報端末や通信料金は安いものではない。オンライン授業などが進むと、(環境が整っている子といない子の)格差を助長する恐れもある。取り残される子が出ないように、国や自治体はこうした現状に目を向けて、支援をしてほしい」と話した。

 寄付は5月6日まで募る。振込先は、三菱UFJ銀行青葉台支店 普通口座 口座番号0169465。振り込み依頼人名に「キフ」と明記する。ライツオン・チルドレンのホームページから、クレジットカード決済による寄付もできる。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年4月19日