野田市の野草116種を図鑑に 著者は市在住のライター・わぴちゃん 1万部を小中学生に配布
牧田幸夫 (2021年4月15日付 東京新聞朝刊)
自然豊かな千葉県野田市で生育する草花を1冊にまとめた「植物図鑑」ができあがり、市は2021年度の理科の副読本として市内の小中学生に配布した。著者は同市在住の自然科学系ライターの「わぴちゃん」こと岩槻秀明さん(38)。「野田は希少な植物も多い。自然観察に役立てて」と話している。
YouTubeでも発信
同市は2017年度から「You Tube(ユーチューブ)を活用した市内草花広報」を展開中。動画「わぴちゃんねる」でわぴちゃんが紹介した草花は、市ホームページの「草花図鑑」のコーナーに順次掲載中で、その数は現在342種類。今回、116種を選んで書籍化した。
植物図鑑は中学生用(B5判)とやさしい言葉で書かれた小学生用(A5判)があり、ともに144ページ、フルカラー。草花の写真と特徴、市内の分布状況などが紹介されている。計1万部発行し、市内の中学生と、小学生は3年生以上に配った。
野田市の草花1000種類以上
宮城県生まれのわぴちゃんは、5歳の時に野田に移り住んだ。独学で草花の研究に打ち込み、気象予報士試験も17歳で合格。植物や気象関係で多くの著作がある。わぴちゃんねるでの動画配信は174回を数え、多い回は2万回以上再生されている。
わぴちゃんによると、野田市で生育している草花は1000種類以上あり、その数は自身も把握できていないという。白い花の形状がベルに似たオオハシカグサや、水草のサガミトリゲモは、県内では野田市だけで確認されているという。
わぴちゃんは「植物を学ぶには野外で実物を観察するのが一番。自分で観察することで新たな情報をたくさん得られる。図鑑は観察結果をまとめる時のサポート役として使って」と話している。