通信制高校サポート校が「eスポーツ科」導入 千葉市の成美学園 不登校経験者が通うきっかけに
鈴木みのり (2021年10月7日付 東京新聞朝刊)
関東で通信制高校サポート校などを展開する「成美学園グループ」(千葉市中央区)が、オンラインゲームの対戦をする「eスポーツ科」を導入した。担当者は「eスポーツが生徒が学校に通うきっかけになれば」と話す。
チームを組んで「人との接し方を学んだ」
4月に中央区のサポート校「成美学園 蘇我校」に導入された。1年生の約15人が通っており、多くは中学時代に不登校を経験している。生徒は高卒資格取得に向けて午前に国語や数学などを学び、午後にeスポーツの授業を受ける。元プロ選手が指導し、実践形式の練習のほか、動画編集やeスポーツで不可欠だというメンタルトレーニングの講義もある。
実践形式の授業では生徒同士でチームを組み、ともに作戦を練りながら対戦形式でゲームを行う。eスポーツ科の北村聖弥君は「友達と意見が合わないこともあるが、授業で人との接し方を学んだ」。中学時代は不登校でゲームが好きだったことから同科を選択。「以前は他人に興味がなかったが、今は周りの人が大事な存在だと思えるようになった」と笑顔を見せる。
成美学園グループは来年4月には松戸と前橋の2校に新たにeスポーツ科を設ける予定。グループの酒井一光代表(33)は「(学科では)プロ選手を目指すこともできる。そうでなくてもeスポーツを通して社会で必要なコミュニケーション能力を身に付けてもらえれば」と話す。