全国初、学校制服にユニクロ 上下で約1万円 さいたま市立大宮北高
前田朋子 (2022年3月9日付 東京新聞朝刊)
さいたま市立大宮北高(同市北区)は、新年度からカジュアルブランド「ユニクロ」の既製品を制服に採用する。女子生徒からパンツ着用希望があったことなどから見直しを進め、価格などを考慮して選定。現在の制服と選択できるようにした。ユニクロを運営するファーストリテイリング(山口市)によると、制服への導入は全国初という。
きっかけは女子生徒のパンツ着用希望
大宮北高の現在の制服は男子は詰め襟の学生服、女子はブレザーとボックスプリーツスカート。筒井賢司教頭によると、昨年度末に女子生徒からパンツ着用を希望する声が上がり、個別に既製品を制服として許可している。この検討の中で現在の制服は価格が高く動きにくいほか、家庭で洗えないなどの問題点が浮上。改めて制服そのものを見直すことになった。
生徒や保護者にアンケートし、値段を抑えるために既製服を探した結果、ユニクロに行き着いた。値段はジャケットとパンツ(スカート)の組み合わせで約1万円。現在の男子の詰め襟制服は上下で5万円前後といい、5分の1程度に抑えられる。シャツは白、青、グレー、夏季のポロシャツは白であればユニクロ以外でもよく、指定のユニクロ製品であれば10色程度から選べるようにする。学校ならではの個性を出すため、生徒がデザインし、ユニクロ製品と組み合わせるリボンやネクタイの試作も進んでおり、夏ごろには導入の予定という。
家庭で洗濯可 店舗でサイズを選べる
筒井教頭は「自分で選ぶ力を身に付けさせたい」と複数の選択肢を設けた理由を説明。昨秋の中学生向けの進学説明会でも、おおむね好評だったという。制服廃止論もあったが「何を着ていけばいいか分からない」「家庭の経済事情が顕在化する」などの意見が在校生、教員ともに根強く、見送られた。
対象は4月に入学する新1年生から。新2、3年生は基本的に現在の制服だが、シャツとポロシャツはユニクロも可とする。4月から長男が大宮北高に通う保護者の女性は「家庭で洗濯できるので衛生的で、サイズが変わってもお店で購入できるのがいい。ただ、息子は大柄なので合うサイズがないと困る」と話していた。
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