食材高騰で給食費はどうなる? 埼玉県内の自治体が補助へ 志木市は約1600万円

中里宏、武藤康弘、寺本康弘、久間木聡 (2022年6月7日付 東京新聞朝刊)
 食材価格の高騰を受け、学校給食の負担軽減策として補助金を支出するなど、埼玉県内自治体が対応に追われている。

幸手市、鶴ケ島町…補正予算案相次ぐ

 埼玉県志木市は小学校と中学校、保育園の給食食材費を補助するため、市議会6月定例会に追加の補正予算案を提出する方針で、1600万円程度になる見込み。タマネギや食用油などが値上がりしており、市の栄養士が昨年度の給食献立を現在の価格で作る想定で計算したところ、1食当たり約20円上昇していたという。

 幸手市は学校給食の補助費363万円を盛り込んだ補正予算案を、開会中の市議会6月定例会に提出した。財源は国の「地方創生臨時交付金」を充てた。市内の小中学校12校に通う児童生徒は約3300人で、1人当たり1カ月100円を各学校に支給する。市の担当者は「食用油や食肉が値上がりしている。特に食用油は昨秋から2、3割の上昇」と説明した。

 鶴ケ島市も学校給食の補助費を盛り込んだ補正予算案を、7月の市議会臨時会に提出する方針。斉藤芳久市長は、5月26日の定例会見で「物価高騰の影響は受けているが、本年度内の値上げはしない」と保護者に負担増は求めないと発言。小麦粉や油を使う揚げ物を減らして煮物を増やすなど以前から食材の見直しを進めており、さらに検討するという。

 一方、秩父市は「材料費は多少値上がりしているものの、現在の給食費で質量ともに落とすことなく賄える」として、当面は給食内容や給食費に変更はないとした。

 政府は4月、保護者の負担増を軽減するため、自治体の判断で新型コロナウイルス対応の地方創生臨時交付金を給食費に活用できるようにした。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年6月7日