全国学力テストの中学英語「話す」初のオンライン 通信トラブル防止で分散実施

榎本哲也 (2023年4月19日付 東京新聞朝刊)

 小学6年と中学3年を対象にした文部科学省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が18日、全国で行われた。国語と算数・数学のほか、中学では英語が4年ぶりに実施された。結果公表は7月下旬。

日常生活での問題解決や思考力問う

 文科省はテスト後、出題の狙いを公表した。学習指導要領を踏まえ、日常生活の場面で問題を解決したり考えを深めたりする力を試した。中学国語では本の読み方についての2つの文章を読み、これから自分がどのように本を読んでいきたいかを問い、小学算数では3種類・23人分のファイルを幅120cmの棚に全て並べられるかどうかを、式や言葉で解答させた。

 英語の「話す(スピーキング)」は、教科では初めてオンラインで行った。前回の2019年度は、生徒の解答を録音して音声データを入力したUSBメモリーを回収する方法だった。端末の未整備などで実施できない学校があり、実施校でも約1万5千人の録音に不具合が出て採点できないトラブルが起きた。

オンライン解答後、自ら録音を確認

 今回は整備が進んでいる1人1台端末を活用。生徒の解答の音声データは、オンラインで集約する。前回の反省を踏まえ、生徒は解答した後、正常に録音されたかどうかを自ら端末で確認できるようにした。またデータ集中による通信トラブルを防ぐため、当日の実施は約500校、約5万4000人に絞った。残り約9000校は5月26日までに分散して行う。

 テストと同時に、学習意欲や生活習慣などを聞く質問紙調査も行った。全国学力テストは、児童生徒の学力を把握して、指導の充実・学習状況の改善につなげる目的で、2007年度に始まった。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年4月19日