年齢の離れた「バディー」と築く温かな関係 市原市などで取り組み
家と学校以外に信頼できる大人を
市原市在住の水野淳美さん(29)は昨年11月末、あまり学校に行けていない市内の小学2年の女子児童と出会い、バディーになった。月2回、2時間ほど、買い物に行ったりイベントに参加したりしている。
元保育士の水野さんは「一緒にいるだけで、今まで見ていなかったものが見えるようになって楽しい。血がつながっていなくても互いに大切に思う関係は育めるんだと思った」と語る。
相手の女児は、水野さんを「あっちゃん」と呼び、好きなキャラや食べ物についてたくさん話してくれる。「心を開いてくれているのでは」
児童の母親は「娘に家と学校以外で信頼できる人ができたらいい」との思いで申し込んだ。バディーは、まさに探していた取り組みだったという。
大人は紹介制 組むのは同性同士
活動は、2020年3月に一般社団法人「We are Buddies」(東京都渋谷区)が東京と群馬でスタート。市原でまちづくり事業を行う合同会社「オープンロード」のスタッフの水野さんが、市原でも同じような活動をしたいと考え、同法人と協業して立ち上げた。
子どもの対象年齢は5~18歳。安全面から、大人は運営側の紹介制で、研修を受けた人に限定。必ず同性同士が組む。参加無料で、原則2年間のプログラムとなっている。
低学年中心に4組 徐々に広がり
同市ではこれまでに小学校低学年を中心に4組のバディーが成立。現在、2人が成立待ちといい、取り組みは徐々に広がりつつある。水野さんは「みんな参加の理由はさまざま。『子ども』『大人』というくくりではなく、一個人として関わることを意識している」と話す。同法人の加藤愛梨代表理事は「プログラムを終えた人はみんな元気になっている。今後も多くの人に第三者との温かな関わりを体験してほしい」と笑顔で話した。
参加希望や相談は「We are Buddies」の公式HPからメールで問い合わせる。
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