「孫育て」に便利グッズが続々 子育ての”常識の変化”も一緒に学べる

平井一敏 (2020年1月15日付 東京新聞朝刊)
 共働きや親の近くに住む子育て世帯の増加で、孫の面倒を見る祖父母世代が増えている。ただ、泣く子を抱いてあやしたり、おむつを替えたりと、体力の衰えた祖父母らにとっては重労働。昔と違う育児の常識に戸惑うこともあるようだ。そんな「孫育て」をしやすくする便利グッズもあり、注目を集めている。

孫育てグッズを紹介する斉藤さん=名古屋市中村区の名鉄百貨店で

ベビー用品売り場に「孫」コーナー  

 赤ちゃんを長時間、乗せて抱いても腕が疲れにくい布団、目盛りが大きく書かれた哺乳瓶…。名古屋市中村区の名鉄百貨店は先月から、孫育てに役立つグッズコーナーをベビー用品売り場に設け、6品目を並べている。

目盛りが見やすいほ乳瓶(BABAラボ提供)

 企画したのは、社員で、子育てグッズ売り場を担当する斉藤美和さん(44)。出産前の娘らと訪れる祖父母世代も多く、「少しでも楽に孫育てを楽しんでほしい」とお薦めのグッズを選び、売り場に常駐して来客に特徴などを紹介している。

昔は「抱き癖がつく」 今は違います

 特に3年前から取り扱っている「抱っこふとん」(縦60センチ、横45センチ、厚み3センチ)は前年度の6倍近い売れ行き。体重を均等に支えるため、首の据わっていない赤ちゃんを長時間抱いても手や腕が疲れにくく、そのままベッドなどに置ける。置いても泣かないと好評で、斉藤さんは「慣れていないおじいちゃんやパパも安心して抱ける」と話す。

抱っこふとん(BABAラボ提供)

 昔は、赤ちゃんが泣くたびに抱くのは抱き癖がつくので良くないと言われていたが、今はすぐに抱いて安心させるのがいいとされる。斉藤さんは自身も子どもを親に預けた経験を踏まえ、「昔と今の子育ての違いを知らないとトラブルになることもある」と指摘。「親子で学び合い、便利グッズを上手に使いながら子どもに愛情をいっぱい注いで」と呼び掛ける。

 コーナーでは25日午後1時から、孫育てのコツなどを紹介する本「ばぁばニッポン」(主婦の友社)の著者・依田邦代さんのトークショーがある。

便利な孫育てグッズ さいたま市の工房でおばあちゃんたちが手作り

 抱っこふとんは、さいたま市の孫育てグッズ工房「BABA(ババ)ラボ」の製品。地域の30~90代の女性約50人が週3回、思い思いの時間に集まり、生地の裁断から縫製、綿入れ、タグ付けまで約20の工程を分担して手作りしている。

 創業者の桑原静さん(45)の祖母、中村絹子さん(91)がなかなか寝ないひ孫のために作った布団をスタッフらが改良し、2012年に商品化。ブルー、ピンク、ベージュの3色を基本に月に約70枚を作り、主に通販サイトで販売している。

 昨年はテレビ番組でも紹介され、過去最高の約1300枚が売れた。仕上げのアイロンがけを担う中村さんは「健康に育つように願いを込めている。たくさんの人に喜んでもらえてうれしい」とほほ笑む。

 ミルクの量や濃さを確認しやすいように目盛りを大きくし、断面を花形にして持ちやすくした「ほほほ ほにゅうびん」も2015年に発売。優れた育児用品などをたたえるキッズデザイン賞を受け、昨年は約300個を販売した。工房のマネジャー横地真子さん(44)は「これからも家族みんなで子育てしやすいグッズを編み出していきたい」と話す。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年1月15日