〈奥山佳恵さんの子育て日記〉15・最後の予防接種にしみじみ… 18歳長男の母子手帳、卒業証書のようです

(2020年9月25日付 東京新聞朝刊)

18年前に配布していただいた母子手帳。古めかしさが、いとおしい

複雑なスケジュール こなせたら敏腕マネージャー

 予防接種。この4文字を見ただけで「ああー」と、表情が曇るお母さん、お父さんもいるのではないでしょうか。

 健やかな子どもの成長に必要なものと重々承知していますが、始まってみて驚くのが、その種類の多様さと複雑さ。ワクチンによって、次の接種まで空ける期間がそれぞれ違う。統一性がない。予約制。仮に予定をバッチリ組んでも、予約日に子どもの体調が悪いなどの理由であえなく予定の組み直し。この困難なスケジューリングを難なくこなせる方は、敏腕マネージャーの素質があると思います。

 敏腕とほど遠い私なので、次男の時はアプリの出現にとても助けられました。教えてくれるんです。「まだこのワクチンを接種してないよ」とか、「明日は予約していたあの予防接種だよ」とか! いっしょに子育てをしてくれた心強い相棒でした。

苦い経験 無料から順に受けたら、先を越された

 大変だったのは、現在18歳になる長男のアナログ時代! この子が予約当日に発熱する「ドンピシャタイプ」だったのもあり、とても苦労しました。さらに私の貧乏性による反省ですが、無料の予防接種から順に受けていったため、当時まだ任意で有料だった水ぼうそうのワクチンを受ける前に、まんまと水ぼうそうにかかってしまった苦い経験も。予防する前に病気に先を越された! 予防できるものなら、しっかり予防しよう。予防接種は、親から子どもへささげる贈り物のひとつなのだと心から実感しています。

 なぜこんなにも予防接種に思いをはせているかと言いますと、その18歳のお兄ちゃんの予防接種が先日、ついに「完」の文字を迎えたからです! 接種を終え、看護師さんから「ハイ、これですべての予防接種は終わりました」と手渡された手帳は、卒業証書のように感じました。

なつかしく母子手帳を見ていたら…衝撃の数字が

 久しぶりに触れた、18年前に母として初めて手にした長男の母子手帳。年月の経過による表紙の風合いもさることながら、衝撃的だったのはその中身。長男を妊娠した当初の、私の体重! そ、そんなに軽かったのー? 今より8キロも少ない! 正直に言うと10キロ差になることだってある! この18年の間に私の身に何があったのか。

 突きつけられた数字の現実に打ちのめされましたが、母としての度量が、きっと重みを増したのだ、といい方に解釈しよう。子育ての終わりに近づく大きな章が終わった、予防接種の終了に拍手。 (女優・タレント)

コメント

  • 子育て世代の親子をみていると懐かしく、子育てって、当事者はとても大変に思うかもしれないけど、巣立ちが近づくとなんだか嬉しくも寂しくもあります。 あの頃はあんなに体力気力もあったのに、今は子どもたちに
     
  • 6歳 0歳育児中です。奥山さん長男の予防接種卒業おめでとうございます。 0歳児(生後7ヶ月)生後2ヶ月からロタを飲み(6月産まれなので3万円払いました~高い)、昨日は四種混合打ちました‼ 次は1ヶ月