〈奥山佳恵さんの子育て日記〉13・「新しい学校生活」次男が心配で見学したら…いいもの見ちゃった!

(2020年7月17日付 東京新聞朝刊)

奥山佳恵さんの子育て日記

写真

進んで勉強する次男(手前)とちっとも勉強しない長男が肩を並べる休日

ダウン症がある次男 先生が提案してくれて

 先生も子どもたちも恐る恐るではありますが、これまで通りの学校生活が再開しました。でも、「新しい生活様式」が加わったことで、これまでと違うことも。給食と体育以外の時間は常時、マスクを着用、一番変わったと感じるのはまっすぐ前をむいて、おしゃべりをしない「静かな給食の時間」です。


〈前回はこちら〉12・新しい日常 「できる」ことに喜びを重ねていこう。次男の成長のように


 先日、次男の様子を見学するため、一日を通して小学校を訪れてそう実感しました。「教員も保護者も共通の方向性をもって美良生(みらい)君を伸ばしていきましょう」。校長先生をはじめ、教頭先生、担任の先生が私たち夫婦に提案してくれての見学でした。ダウン症があり、型にはまらない次男のオリジナルの成長を、ともに模索していこうとする先生の姿勢が何よりありがたかったです。

「日直させてもらいませんか」お願いすると

 ただ、一日中、見学させてもらった感想は、目をつぶりたくなることの連続でしたが…。「気分が乗らない」と校庭の隅から動こうとしなかった時には、よほどそばまで行って手を出したかったのですが、グッと我慢。見学後は先生たちといまの美良生の課題を擦り合わせる時間もあり、「何か学校にリクエストはありませんか」とも言ってもらえました。

 そこで、「できたら美良生にも日直をさせてもらえませんか」とお願いしました。できないからと、美良生だけ免除されていたらどうしようと心配だったからです。でも、「もちろん、そろそろ順番ですよ」と言ってもらえ、ホッと胸をなで下ろしました。

次男の言葉を一生懸命聞いてくれた同級生たち

 その数日後に巡ってきた日直の日。新型コロナの影響でいまは極力、学童保育を利用していないため、下校時に迎えに行った私も見ることができました。ゴニョゴニョと聞き取りづらい美良生の言葉にも、黙って一生懸命聞いてくれた教室の同級生たち。美良生も最後、大きな声で「きをつけー」と号令を出し、みんなの様子を確認してから、「さようなら!」と頭を下げました。

 廊下にいる私までしっかり届く大きな声。立派! お迎え生活のおかげでいいものが見られました!

 私に気付くと、美良生も両手を上げてすぐ飛び込んできました。その顔は、照れとうれしさ、「できた」という自信でみなぎっていました。できないことがいっぱいでも、できることもある。そのためのサポートをしてくれている先生にありがとう! (女優・タレント)

1

なるほど!

8

グッときた

58

もやもや...

2

もっと
知りたい

すくすくボイス

  • 匿名 says:

    みらいくんの学校教育や教師の素晴らしい姿や働きかけを学校教材として、研修会や勉強会で取り上げて全国の先生にも学んで欲しいと思います。偏見、いじめ、差別もいけないと指導しながら出来ていないのが現状。(出来ていたら不登校、いじめ、自殺が増加しないはず)障害があってもなくても助け合い、共存する、相手の気持ちを考えることが育まれて今の子どもたちに必要。我が子の学校は【排除】又同じ学校でも教師の考え方はバラバラ💦先ずは統一するところからはじめて差別偏見のない【誰もが生き生き出来る】居場所づくりからはじめてほしい。

      
  • 匿名 says:

    私もずっと頑張るという言葉が大嫌いでした。しかし、この何年かで、日本語にちょうどいい表現をできる単語がないだけだと思うようになりました。
    昨年、大学生の息子がスキーで脊椎を骨折し、二枚の金属の板と8本のネジで骨折した部分を固定する手術を受け、手術から一週間も経たないうちからリハビリが始まりました。彼はパイロットなのです。中学生の頃からレッスンを受け始め、怪我の前に航空会社のパイロットに必要な全ての資格を取り終えました。
    彼は痛みで何も言いませんでしたが、何としても自分で歩けるようになり、飛行機に乗りたいというのがわかりました。
    親としても、全国で一番いいと言われているリハビリ専門の病院を選び、主人も、家から離れながらも病室から仕事を続け、彼に付き添いました。息子のその姿勢は、「がんばる」以外のなにものでもなかったと思います。今、ここで、自分に出来る全ての努力をする。スポ根的な「頑張る」もあるでしょうが、私はそれ以来、こちらの意味で「がんばる」という言葉をまた使うようになりました。

    怪我から約4ヶ月後には、器具付きで自分で歩けるようになり、5ヶ月後には大学に戻り、一人暮らしを始め、今も大学に行きつつ、大学の空港でフライトインストラクターとして働いています。まだ体の機能は完全には戻っていませんが、12月には大学を卒業します。

      
  • 匿名 says:

    奥山さん、以前から笑顔の素敵な方だと思っていました。子育ても明るく笑顔でされている姿が目に浮かびます。
    母の笑顔が子どもにとって何よりですよね❗私も笑顔で子育てできるよう、多くを求めずゆっくり前向きにやっていきたいです😊

      
  • 匿名 says:

    健気に“頑張る”って言葉の使い方が嫌です私は。出来ないを前提にされてるようで…出来るけど時間がかかっちゃうしゆっくりなだけだから。
    うちのアスペちゃんは何回教えても頭から消去されちゃって繰り返しばっか笑。ついつい怒っちゃうよ。

      
  • 匿名 says:

    1年生の息子は発達障害の診断は出ていませんが、6月から学校が始まってから、気分が乗らないと、みんなと同じ事は出来ないし、教室から出て行ったり、苦手な事があると赤ちゃんみたいに泣いたりします。学校からも何度か電話もあり、悩んでいたので、この記事を見て、涙が止まりませんでした。年中位から療育も行ってたのですが…。頑張って奮闘している奥山さんに元気を頂きました。

      
  • 匿名 says:

    わが家にも来年小学生になるダウン症の子がいます。
    キラキラした学校生活が、うちの子も送れる気がしてきました!ありがとうございます。
    日直のみらいくん、得意になってる顔が浮かびます。私も、息子の得意になってる自信満々の顔をいっぱい見れるように子育て頑張ります!

      
  • 匿名 says:

    元気いっぱい笑顔いっぱいすくすく大きくなってね。大きくなっても周りの人に生きる勇気と感動を与える青年になってね

      
  • 匿名 says:

    本当にそう。一生懸命なダウン症の子を見ると心洗われますよねww感動をありがとう美良生くん!

      
  • 匿名 says:

    健気に頑張るダウンのお子さんを見てるとなんでだろう、涙が出てきます。小さな体で精一杯明るく頑張る姿に関心し感動させられます。クラスの子も気持ちが豊かになっていることでしょう。素敵です。

      
  • 匿名 says:

    ダウン症に負けずに頑張るみらいくんをクラスのみんなも暖かく見守ってるんですねwwクラスメイトの優しさ、みらいくんの頑張りに励まされます。自分も頑張らないきゃ。

      

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