子どもの参加や意見求めよう! 子どもの権利条約30年 理念の普及目指して集会
奥野斐 (2019年4月23日付 東京新聞朝刊)
18歳未満の子どもの人権を保障する「子どもの権利条約」を普及させるキャンペーンの開始イベントが22日、東京・永田町の衆院第2議員会館であった。虐待やいじめなどの事件が相次ぐ中、主催者は条約の理念を実現し「子どもにやさしい社会を築く一歩に」と宣言した。
子どもの人格尊重まだまだ
主催は、子どもを支援するNPO法人など14団体でつくる実行委。今年が条約の国連採択から30年、日本の批准から25年になるのを記念し開いた。
条約締約国の実施状況を審査する「国連子どもの権利委員会」委員の大谷美紀子さんが講演した。「子どもに権利があり、人格は尊重されなければならないことがいまだに浸透していない」と指摘し、大人が責任を持って子どもの権利を推進していく必要性を訴え、「子どもの参加や意見を求めよう」と語った。
2022年までキャンペーンを展開
日本は1月、同委員会の審査を受け、子どもの権利に関する包括的な法律の制定、暴力や虐待を受けた子が被害を訴えられる機関の設置などを勧告された。
キャンペーンは、3年後の2022年までに関係機関のネットワーク整備や、子どもの権利に関する包括的な政策や法律制定を目指す。