主任保育士が園児に暴言「ばか、まぬけ、のろま」 加須市の認可保育所 市が改善指導

(2019年10月3日付 東京新聞朝刊)
 埼玉県加須市の社会福祉法人が運営する認可保育所「吉川保育園」(定員60人)で、ベテランの女性主任保育士が昨年度から今年4月にかけ、園児に暴言を浴びせていたことが、加須市などへの取材で分かった。加須市は6月、児童福祉法に基づいて改善を指導した。保育士は既に退職している。

勤務40年のベテラン 園児同士の頭をぶつける行為も

 加須市地域福祉課によると、保育士は園児に対して「ばか」「まぬけ」「のろま」という暴言を使った。また、園児を払いのけたり、園児同士の頭をぶつけたりといった行為もしていた。園児にけがはなかった。

 加須市の聞き取りに、保育士は「保育を計画通りに進めなければならないという責任感から厳しい口調になってしまった」と説明。「自分は威圧的と思われる言動をするときがあり、虐待と取られることがあったのは分かる」と話したという。

 保育士は約40年間、同保育園で勤務。他の保育士を指導する立場の主任保育士だった。

 同園ではまた、土曜の保育で提供することになっていた給食を少なくとも5年前から提供していなかったことも加須市の調査で判明。保護者には弁当を持参させていた。園は市に「調理員を確保できなかったため」と説明。現在は土曜も給食を提供している。

 吉川保育園は本紙の取材に対し「利用者への対応は終わっている。申し訳ないが、改めて説明することはできない」と話した。 

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年10月3日