「公立保育園の廃園やめて」小金井の市民グループが訴え 「つぶしていいのか」「地域の子育てセンターとして再整備を」

花井勝規 (2022年5月30日付 東京新聞朝刊)

「公立保育園は市民の財産」と市の公立保育園廃園計画の見直しを訴える横断幕=いずれも小金井市で

 小金井市が市立保育園5園のうち3園を廃止する方針を示していることに反対する市民グループ「公立保育園を市民の財産にする会」が29日、JR武蔵小金井駅近くで集会を開いた。市は市議会6月定例会に市立保育園条例の改正案を提案する見通しで、同グループは「廃園をやめて」と訴えた。

廃園に向けた条例改正案、来月提出か

 集会には保育園の利用者や7人の市議ら約20人が参加。保護者らが作った紙芝居の上演やスピーチで、廃園をやめてほしいと訴えた。

 廃園候補となっている保育園に4人の子供を通わせた三橋誠さん(49)は「老朽化した保育園を建て替えるにはコストがかかる、無い袖は振れないと市は言う。単純につぶしていいのか」と、疑問の声を上げた。

 また、市立園の元園長の女性(70)は「廃園にするのではなく、保育士、栄養士、看護師を集めた地域の子育て支援センターとして再整備したらどうか」と述べた。

さくら保育園の保護者らが制作した紙芝居が上演された

 この問題をめぐっては昨年7月、西岡真一郎市長が民営化方針から一転して廃園方針にかじを切った。市の計画では、「くりのみ」「さくら」の2園は2023年春から0歳児の募集をやめ、段階的に縮小し、最後の園児が卒園する28年春に廃園する。「わかたけ」は2園の状況を見ながら廃園計画を決めるとしている。

 廃園の実現には関連条例改正案の可決が必要。本会議の可否は議会勢力比からすると、改正案が提出された場合、可決される公算が大きい。ただ、本会議に先立ち、条例改正案を審議する厚生文教委員会には反対・慎重派もおり、継続審議になる可能性も指摘されている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年5月30日