〈保育園給食の人気レシピ〉さんまごはん 缶詰で簡単炊き込み 「おかわりください」が止まらない
材料(子ども10人分)
- 米 2.5合
- さんまのしょうゆ煮缶 2缶(1缶あたり固形量100g/内容量150gのものを使用)
- しょうが 2g(小さじ1/2)
※かっこ内は目安です
作り方
1. 米2.5合をといで炊飯器の内釜にセットし、水を控えめに入れる。さんま缶の汁だけを加えた後、水を追加して2.5合の目盛りに合わせる。
2. (1)におろししょうが(千切りでも、みじん切りでもOK)を加え、箸で軽く混ぜ合わせる。
3. (2)にさんまを並べ入れる。
4. 炊飯器の炊き込みモードで炊く。
5. 炊き上がったらしゃもじでさんまを軽くほぐし、底からさっくりと混ぜ合わせて茶碗によそう。
子どもが食べやすいポイント
つやがあり、煮魚のようなふんわりとしたやわらかさと香りが食欲をそそる、このさんまごはん。米粒にさんまの脂肪分が加わることにより、ベタつかず、パラパラしすぎることもなく、ほどよくのみ込みやすくなっています。人気の秘密は、身のしっとり感、口の中でのほぐれ具合、ほのかに味が付いていることにあるようです。
魚が得意ではない子も、難なくぱくぱくとあっという間に食べ終えます。おかわりが見えていると、なくなるまで「おかわりください」とかわいい両手が差し出され続けるメニューです。
子どもたちは、おにぎりにしても喜びます。魚の脂分でポロポロする場合は、気持ち強めに握ってのりを巻くと食べやすくなります。
ーさんまの身が大きい場合は、ごはんにのせて炊くときに、小さめにカットした方がよいですか?
缶詰であれば身はやわらかいので、炊き上がったごはんをほぐす時に、お好みでしゃもじで切り分けて食べやすい大きさにしながら混ぜるので十分です。
ー野菜も入れたいのですが…
ゴボウ、ニンジン、長ネギなどがおすすめです。ニンジンは、細いところを薄いいちょう切りにします。ゴボウは、細いところは薄い半月切り、太いところは薄いいちょう切りに。長ネギは半分の太さにして刻みます。
お米2.5合に対し、ニンジン・ゴボウ・長ネギを合わせて100gほどが適量です。2合なら70gくらいです。
枝豆を入れると彩りがよくなりますし、キノコやこんにゃく、油揚げを入れると、さらに風味が増します。枝豆は最初から生で入れて炊き込んでも、冷凍のむき枝豆を使ってもOK。枝豆の季節は短いので、園では冷凍のむき枝豆も使います。さっとゆでてから出来上がりに混ぜ合わせると緑がとても鮮やかに仕上がります。枝豆を入れる場合、小さい子には食べる前に軽く指でつぶしてあげると、食べやすく、のどにも詰まりにくくなります。
アレンジのヒント
基本のレシピではさんまのしょうゆ煮缶を使いましたが、ここでは、さんまのかば焼き缶、サバ缶、イワシ缶を使ったアレンジのポイントを紹介します。缶によって味付けが違うので、缶の汁を加える時は、子どもにとって味が濃くなり過ぎないように加減します。炊き上がってからお好みで塩を振ったり、大葉やごまなどの薬味を添えたりしてもOKです。
1)さんまのかば焼き缶
園では、より身がふっくらして食べやすいしょうゆ煮缶を使っていますが、かば焼き缶でも作れます。かば焼き缶は煮汁が少ない分、1缶の重さは70gほどなので、2.5合に対して2~3缶使います。味は濃くなり過ぎないように調節します。
2)サバの水煮缶
園ではサバ缶(水煮)も、炊き込みごはんに使用します。
ゴボウ、ニンジン、長ネギを食べやすくなるよう小さめに切り、酒、しょうゆ、みりん、ごま油を加え、軽く混ぜ合わせてから、サバ缶と枝豆をのせて炊きます。ニンジンや枝豆が入るので色合いも華やかです。
食欲が落ちている時は、サバの水煮缶と梅干しの炊き込みごはんがおすすめです。サバとお好みの梅干しをそのまま入れて炊きます。入れる梅干しは1合につき1個を目安にし、好みで調節してください。炊き上がったら、梅干しの種を取り出しサバと共にふんわり混ぜ合わせます。ごまを振り、千切りにした大葉やしょうがをのせると、とてもよい香りに食欲がわきます。
カリカリタイプの梅を使う場合は、先に種を取り除き、身を刻んでおきます。こうしておくと、炊き上がってからすぐに食べられます。
3)イワシ缶
ニンジン、ゴボウ、こんにゃく、マイタケ、油揚げ、枝豆などと一緒に炊き込むとおいしくなります。油漬け缶の汁を全て入れるとツヤツヤになってしまうので、水煮缶もしくはしょうゆ煮缶がおすすめです。骨が気になるお子さんには、なるべく骨の少なそうな部位を盛り付けてあげるとよいでしょう。
「いつもと同じ」が非常時の安心に
缶詰は、非常時でも日常でも、いつでも気軽に食べられます。園では普段から多めに購入しておき、使用したら買い足して備蓄しておくローリングストックを実践しています。よく購入している缶詰は、大豆、コーン、ひじき、魚(ツナ、さんま等)、ホールトマトです。
日常生活で消費しながら備蓄しておくことで、鮮度が保てるだけでなく、いざという時にも日常に近い食生活を送ることができ、子どもたちの安心につながる利点があります。
管理栄養士・中村えみ子さん
1969年生まれ。川崎市にある「みんなのほいくえん at むさしこすぎ」の管理栄養士。大学病院などで栄養士として勤務後、子育てを経て、保育園の管理栄養士として復職。素材のよさを最大限に生かしたいと、同僚栄養士が驚くほど丁寧な下ごしらえを心がけている。アレルギーに配慮した給食に力を入れるのは、「みんなで同じものを食べれば、子どももうれしいし、保育士・調理師・栄養士の負担も減るし、食べ間違いのリスクも減らせるから」。
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