「子ども30人に保育士1人」では災害時に命を守れない 配置基準の改善求めるオンライン署名に3万筆超

(2023年3月2日付 東京新聞朝刊)

配置基準の改善を訴える保育士や保護者ら=1日、東京・永田町の参院議員会館で

 4月のこども家庭庁の発足を前に、保育士や保護者らでつくる「よりよい保育を!実行委員会」が1日、東京・永田町の参院議員会館で記者会見し、4・5歳児なら保育士1人で30人を受け持てるとした1948年から続く配置基準の改善などを訴えた。

「せめてもう1人保育士がいれば」

 国の基準では、1・2歳児は保育士1人で6人まで受け持てるなどとしている。愛知県の保育士、武藤貴子さんは会見で、「今の基準では災害時に子どもの命を守れない」と答えた保育者が8割を超えたというアンケート結果を紹介した上で、「せめてもう1人保育士がいれば、子どもがより安全に、人権が守られる環境になる」と話した。

 厚生労働省が11日まで意見公募(パブリックコメント)中の、保育所への年1回以上の実地検査を義務付ける政令などの改正案について、規制緩和になると撤回を求める意見も出た。

 「よりよい保育を!実行委員会」は2月から基準改善のオンライン署名を始め、1日時点で3万筆を超えた。4月をめどに、政府に提出する。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年3月1日