横浜市が「遠い保育園に通うための駐車場代」を補助 月額2万5000円まで 小規模保育に通う「保留児童」1、2歳が対象
神谷円香 (2023年5月17日付 東京新聞朝刊)
横浜市は、希望する保育所などに入れない「保留児童」のうち、自宅から遠いが定員に空きのある小規模保育事業の施設への入所を決めた人に対し、自家用車で送迎する際の駐車場代を月額最大2万5000円補助する制度を始める。今月末から対象者の希望を募る。市によると、他の自治体で同様の制度はないという。
2km以上が目安 月決めもコイン式も可
小規模保育事業は0~2歳児が対象。今回の制度は保留児童が多い1、2歳児で、自宅からおおむね2キロ以上離れた施設に通う際に必要な駐車料金の実費を補助する。
駐車場は施設や勤務先の近く、送迎の途中にある駅近くなど、保護者の利便性に応じて選べる。月決めのほか、都度料金を支払うコインパーキングなどでも可能とする。
待機児童は減少も「保留」は3000人超
横浜市が16日に発表した4月1日現在の待機児童は昨年より1人減の10人。ただ、希望通りの施設に入れていない保留児童は、待機児童10人を含め3223人で、そこから育児休業延長希望者を除いても1755人に上る。横浜市は、駐車料金の補助があれば自宅から遠い施設でも入所を希望する人もいるとして、40人程度の利用を想定。希望者にはまず施設の利用調整を行う。
保留児童がいる一方で、定員割れが生じている認可保育所や認定こども園も513園あり、集計を始めた2010年以降で最多。横浜市は、需要が多い1~2歳児の定員に振り替えるなどの対応を進めている。小規模保育事業も、市内241施設のうち、114施設で計380人分の空きがある。
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