幼稚園児に豊かな経験をさせたい…定員割れに悩むPTAがクラファン 「保護者じゃなくても応援してくれる人」とつながった
（2023年6月29日付 東京新聞朝刊）
「公立幼稚園の状況を知ってもらうために、これからも発信を続けたい」と話す白城和美さん＝葛飾区水元で
園児数の減少に伴って会費収入が減った葛飾区立水元幼稚園のPTAが、インターネットで活動資金を募るクラウドファンディングを行った。PTA会長の白城（しらじょう）和美さん（45）は「子どもたちにさまざまな経験をさせるための費用に充てたい」と話す。クラウドファンディングを通じて保護者や地域の人以外にも園の現状を伝えることができたと、手応えも感じているという。
園児1人500円では…いろいろ不足
2年保育を実施している同園には現在、4歳児が30人の定員に対し11人、5歳児は35人に対し9人が在籍と、定員を大きく下回る。2025年度には直線距離で約3キロ離れた別の区立幼稚園に統合されることが決まっている。
白城さんは昨年、長男の入園と同時にPTA副会長になった。園児1人当たり月額500円の会費で賄えるのは、事務費と卒業記念品代くらい。子どものための活動に力を入れようにも、区の助成は保護者の勉強会以外には使えないことが分かった。園児が多かった頃には会費だけで賄えたリトミック講師への謝礼や、園で収穫した野菜を使った調理実習の材料費の不足分を、昨年度は保護者から随時徴収した。
6万7500円の寄付 講師への謝礼に
「少人数の保護者でバザーや廃品回収をして資金集めをするのは負担が重すぎる」と考えた白城さんが、活動費を集める手法として思い付いたのがクラウドファンディングだった。4月1日から5月末までの2カ月間で、目標額10万円に対し、6万7500円を集めた。リトミックやアート教室の講師謝礼に充てる予定だ。
クラウドファンディングのコメント欄には「子どもたちのために頑張って」というコメントも寄せられたという。白城さんは「保護者以外にも応援してくれる人がいることを実感した。保護者の負担を減らすPTA活動をこれからも模索したい」と話している。