小平市・三鷹市・小金井市がコスモズに計3360万円の返還命令 保育所建設の補助金不正受給で
花井勝規 (2023年9月8日付 東京新聞朝刊)
都内22カ所で認可保育所などを展開する「コスモズ」(本社・小金井市)が保育所建設時に補助金を不正受給していたとして、小平市、三鷹市、小金井市の3市が同社に総額約3360万円の返還を命じたことが関係者への取材で分かった。小金井市は補助金交付決定の一部を取り消した。同社はこの3市と武蔵野市、杉並区の計5区市から総額1億円超の補助金を不正受給していた疑いがある。
小平市は1617万円 三鷹市は1260万円
3市は5~6日、同社に返還命令を出した。小平市は違約加算金約200万円を含む1617万円の返還を命じた。期限は12日。
三鷹市は「現時点の金額」として約1260万円を返還命令。小金井市は市内の第十コスモ保育園で約46万円、十八コスモ保育園で396万円、二十コスモ保育園で約43万円を13日までに返還するよう命じた。
3市が返還命令を出したのは、不正受給した補助金の「回収」を優先するためとみられる。
自治体側に「取りはぐれる」との危機感
コスモズでは、5月末に退任した創業者で元小金井市議の佐野浩元代表(80)に約2億9500万円の退職慰労金を支給する案が浮上していた。
コスモズについて「自治体への弁済を優先すべきなのにその姿勢を見せていない。急がなければ回収できず、取りはぐれる恐れが出てくる」(自治体幹部の1人)との危機感がある。
補助金不正受給問題を巡っては、自治体と同社との協議で、不正額の算定が二転三転するケースが出るなど混乱が続いていた。