姿勢が悪い子増えてます 原因は運動不足と「低緊張」 公園の遊具や10秒ポーズで体幹を鍛えよう
低緊張とは? 筋肉の緊張が保てない
西村さんは「幼稚園や保育園に行くと、姿勢が悪いと感じる子どもがだんだん増えている」と話す。研修などで保育士らと話題になることも多く、「気になる子は、どの園でも3分の1以上はいる」と指摘する。
やる気がないといった心理的な理由を除き、姿勢が悪い子どもには、大きく2つのパターンがあるという。1つは運動不足や長時間のゲームなどの生活習慣で体が鍛えられていない子。運動習慣がつけば、効果が出やすい。もう1つが、筋肉の緊張を適度に保てず張りが弱い状態が続く「低緊張」だ。運動が苦手な場合が多く、なおさら体幹の筋肉が発達しにくいという。
専門のトレーニングより「遊ぶこと」
姿勢が気になると「スポーツ教室などで専門のトレーニングが必要」と考える保護者も多い。西村さんは「家や公園での運動で十分。親子で楽しむことを考えて」と呼びかける。お薦めなのが公園の遊具。ブランコや滑り台などは筋肉を使うだけでなく、苦手な子でなければ揺れや風が顔に当たる疾走感といった楽しさで満足度も上がる。つり橋を渡ったり、ロープを引いたり、網を上り下りしたりさまざまな遊び方ができる複合型遊具は体の多くの部分を動かすことになり「体幹がどんどん強くなる」。
家の中でも鍛えられる。未就学児なら、大人の体に登る遊びや、四つんばいの大人の上にまたがる「お馬さん」。不安定な状態で体勢を保つ必要があり、遊具と同じ効果が望める。「風船を使ったバレーボールもいい。お尻を床につけた状態で動き回りながらやればさらに効果的」。さらに幼児なら、あえて遠くに置いたパズルのピースを探してはめる動きでも、体幹の持久力が高まるという。
無理せず1日10分 半年後に変化が
著書で西村さんは、体幹の筋力や背骨の柔軟性などを強化する「10秒ポーズ」を紹介する。一例が両腕を耳の横につけて上げ、片方の膝を曲げて反対の膝に当て、片足でぴんと立つ「ロケットのポーズ」。家族で時間を競えば「楽しみながら体を使える」と話す。
体を動かすことが苦手な子が、遊びを嫌だと感じないようにも配慮したい。無理に頑張らせると、嫌いになるリスクや、体に痛みが出る可能性もある。西村さんは「子どもが喜んでいるか、レベルに合った運動かをよく見てあげて」と語る。楽しければ続けられる。「1日10分間の習慣にできれば、長い目で見ると変化が出る。半年ほど続けると、動きが軽やか、姿勢がきれいと気付くことが多いはず」という。