「グーとチョキ」で男女分け 幼稚園の参観で目を疑った

加藤健太 (2023年11月16日付 東京新聞朝刊)

担任の先生が「はーい、並ぶよ」と言いながら両手を掲げた。左手はグー、右手はチョキ。そのサインを頼りに男の子は左、女の子は右に慣れた様子で移動した。息子が通う幼稚園で参観日に見た光景だ。あからさまな区別に目を疑った。

運動会の玉入れは男女別。遊び着の色は赤と青。もやもや、もやもや。気になり出したら、あれもこれも目についた。なぜかクラス名簿は男女混合の50音順だけど。

嫌な予感は的中した。家で一緒に遊んでいたある日。「それ女の子の色だよ」。私が手に取ったピンク色の折り紙を指さしていた。そうなるよね。それからは歯ブラシとか食器とか、あえて赤系のものを使うようにした。彼の無意識に問いかけるように。

聞くと、20代の先生たちも悩んでいた。ただ、園長らに声を上げづらいらしい。せめて並び方は男女混合にできないか。仲が良いお友達の中には自身の性に違和感を持ち始めた子もいる。その子がグーかチョキかを自ら選ばなければいけない今の状況がつらい。

写真はイメージです。記事中の幼稚園とは関係ありません

コメント

  • 子供が通っている幼稚園でもうすぐお遊戯会があります。それについて手紙が入っていて、女の子は園が指定する色の靴と、履き口にフリルがついた靴下を買ってくること。お題は「最上級に可愛いの」。 男の子は
    はる 女性 40代 
  • 幼稚園に勤務しています。保育の現場で男女でわかれる場面…あります。 けっして無理強いはしませんが、自分が生まれつきどちらの性に属しているのか…知らせる必要はあると思います。その上で、自分の性に違
    ここまむ 女性 50代