「子ども専用相乗りタクシー」横浜市で実証実験 保護者の付き添いなしで習い事へ 乗降状況、車内の様子を共有
公民連携で実現 法的には「バスツアー」
実証実験は来月18日までの約1カ月間。テクノロジーを活用した子どもの送迎サービスを提供するベンチャー企業のhab(西区)と、同社を幹事企業にタクシー事業者などが加盟する公民連携の「こどものみらい共創プラットフォーム」が協力して行う。「相乗りタクシー」の名称だが、法的にはバスツアーと同じ「募集型企画旅行」の位置付けだ。
参加するには、保護者がhabの公式LINEアカウントを友だち登録した上で、新規会員登録を行う。必要な子どもの情報や通う施設、乗降する停留所、希望日時などを選ぶ。2月15日まで受け付ける。
片道500円 停留所は各区に15カ所ほど
停留所は各区に15カ所程度ずつ設置する。先着順の事前予約制で、提携する事業者の習い事や歯科医院などを回る。片道一律500円で、需要が多い平日の放課後のほか、土日も運行する。保護者は乗れないが、停留所までの送り迎えは必要。habの豊田洋平社長(36)は「まずは安心して乗ってもらうために来てもらうが、ないほうが助かると思うので、徐々にサービスを進めていきたい」と語る。
実験では、横浜市シルバー人材センターの会員が同乗してサポートする。子どもの乗降状況は随時、保護者にLINEで伝えられ、車内の映像も見られるようにする。乗車中は横浜銀行が提供する金融教育の動画も流す。
保護者からは「助かる」「安心」の声
実証実験のスタートに先立つ5日、市内で試乗会が開かれた。青葉区の小学5年根岸沙衣さん(10)は「習い事はバスか、お母さんの仕事が休みの日は車で送ってくれるが、このほうが楽」と話した。今回は対象から外れた港北区の会社経営下薗徹さん(34)は、小学2年の息子澄也君(7)が試乗。日頃は送迎を妻に任せきりだといい、「(子どもが)1人で夜に電車に乗るのは難しいので助かる。他の区でもやってほしい」と期待した。
habは今回も含めて実証実験を重ね、年内には本格的な送迎サービスの開始を目指したい考えだ。