「ひとり親家庭をあなたが支えてみませんか」川崎市が有償ボランティア募集 子どもの送迎や家事を援助

(2023年11月12日付 東京新聞朝刊)
写真

「ひとり親家庭をサポートしてくれる支援員を増やしたい」と話す高橋さん(左)ら担当者=川崎市中原区で

 川崎市母子寡婦福祉協議会(中原区)は、ひとり親家庭の子育てや生活をサポートする支援員を募っている。支援員は有償ボランティアとして、子どもの世話や保育園のお迎えなどを担う。保育士などの有資格者のほか、市の養成研修を受けた人が登録でき、同協議会は「より多くの家庭を支えられるよう関心を持ってもらえたら」と呼びかける。

孤立しそうな親のホッとする機会に

 この事業は「エンゼルパートナー制度」と呼ばれ、利用者は事前に同協議会の担当者と面談して登録する。無料。仕事で帰宅が遅くなる、資格取得のために通学するなどの理由で必要がある場合、支援員の自宅などで子どもを預かってもらったり、保育園の送迎をしてもらったりすることができる。食事や掃除、買い物など生活の援助も受けられる。現在の利用登録者は75人という。対象は市在住のひとり親家庭だ。

 川崎市母子寡婦福祉協議会の高橋史さんは「物理的な面だけでなく、育児で悩んでいたり、孤立しそうになっている親が、何げない話や悩みを支援員に聞いてもらい、ホッとする機会にもなっている」と制度の意義を感じている。

 支援員は現在約80人おり「子育てが一段落した人や、保育に関心がある人などが研修を受け、支援員として活動してくれている」。支援員からは「ありがとうと言われ、役に立てていると感じられるとうれしい」「小さい子どもと関わる機会があって生きがいになる」といった声が聞かれるという。

ニーズ・性格 合いそうな人を派遣

 子育て支援を担う支援員になるには、資格などがない場合、市が定めた養成研修を受講する。年齢ごとの発達や遊び、食生活、病気などについて学ぶほか、保育所で子どもたちの様子を見学したり救命講習を受けたりもする。支援員手当は1時間あたり900円~(令和2年度参考)。

 利用家庭のニーズを聞き取り、支援員の派遣を調整する高橋さんは「居住地や時間帯のほか、双方の性格なども見て、波長が合いそうな支援員さんにお願いしている」と話す。「支援員の数が増えれば、利用家庭の希望にこたえやすくなる。無理のない範囲で関わろうと思ってくれる方が増えればありがたい」

 本年度の養成研修は来年1月11日から2月1日までの毎週木曜日で全4回。全日午前9時半から午後4時半。申し込みは、12月23日までに川崎市母子・父子福祉センターサン・ライヴ=電話044(733)1166=で受け付けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年11月12日

0

なるほど!

0

グッときた

0

もやもや...

0

もっと
知りたい

すくすくボイス

この記事の感想をお聞かせください

/1000文字まで

編集チームがチェックの上で公開します。内容によっては非公開としたり、一部を削除したり、明らかな誤字等を修正させていただくことがあります。
投稿内容は、東京すくすくや東京新聞など、中日新聞社の運営・発行する媒体で掲載させていただく場合があります。

あなたへのおすすめ

PageTopへ