障害ある子もない子も一緒に 横須賀の学童クラブが好評 来年度は利用者倍増の予定
障害児を育てる母親たちで運営
美容室や飲食店が軒を連ねる京急久里浜駅前の商店街の一角。空き店舗を改装したガラス張りの建物に入るクラブには1~5年の児童13人が放課後などに通い、2人に知的障害、8人に軽度の発達障害がある。
運営するのは、障害児を育てる市内の母親らでつくる社団法人「sukasuka-ippo(すかすかいっぽ)」。20平方メートルほどの広さの部屋には仕切りがない。子どもが一緒に遊べる上、見通しを良くし、スタッフが見守りやすいように工夫した。平日に訪れると、段ボールで作った小屋に入るなどして5人ほどが笑顔ではしゃいでいた。
「特別扱いされない体験させたい」
軽い発達障害がある長男波空(はく)君(7つ)を迎えに来た松村愛さん(31)は「障害児を育てている親が運営に携わっていることもあり、安心感がある」と話す。
知的障害に加え、てんかんの発作などを伴う「アンジェルマン症候群」の長女咲空(さく)さん(9つ)を通わせる宮浦めぐみさん(39)は「お菓子をもらう順番を待てるようになるなど、ここに通うようになってから少しお姉さんになった」と感じる。障害児の居場所として整備されている放課後デイサービスも使うが、「特別扱いされない環境も体験させたい」と考え、クラブとの併用を選んだ。
障害のない子も「心の成長につながった」
「障害などで他の学童になじめず、学区外からここに来る子もいる」と代表の五本木愛さん(44)。「障害のある子どもと触れ合い『心の成長につながった』と、障害のない子どもの親に感謝されたこともある。こういう施設のニーズの高さを実感した」と語る。
来年度は一時利用を含め現在の倍以上の33人が利用予定で、近くの空き店舗をもう一つ整備して受け入れる。現場責任者の吉田弥栄子さん(46)は「今の子たちが新しい友だちをどう受け入れるか、楽しみです」とほほ笑んだ。
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