なに選ぶ?中身は?分量は? 子ども防災リュック

(2018年8月31日付 東京新聞朝刊)

水や食べ物などをまとめた防災リュックを紹介する「防災ママかきつばた」のメンバー=愛知県知立市で

   9月1日の防災の日を機に、親子で備えを点検しておきたい。特に子どもが小さいうちは、大人用の非常袋の中身とは違う物も必要だ。リュックなら両手が使えて何かと好都合だが、中に何を詰めたらよいだろうか。親子で話し合い、子ども用の「防災リュック」を用意しておこう。

1泊分でOK

 「詰め込みすぎると持ち運びが大変なので、とりあえず避難所で1泊できる分を準備しておきましょう」。愛知県の知立、刈谷両市などの母親でつくる防災啓発グループ「防災ママかきつばた」のメンバーで、防災士の資格を持つ北島あやさん(39)はこうアドバイスする。防災士は、セミナーの講師を務めたりして、防災意識を啓発する。

 1泊分でいいのかと、疑問に思う人もいそうだが、まとまった備蓄は自宅にしておいて、少し落ち着いてから取りに帰るという考え方でよいという。リュックの中身は水や食べ物、着替え、必要な子はミルク、哺乳瓶なども。だが、身の回り品でも子どもに合わせて選ぶことが大切だ。

 例えば食べ物。子どもが食べないような非常食を入れておいても意味がない。事前に試食したりして、その子が好きなもの、食べられるものを準備しよう。避難所生活となると子どもがストレスをためやすいので、親子で相談しながら好きなおもちゃやお菓子も入れておくといい。アレルギーのある子どもなら薬は欠かせないし、暗がりを怖がる子ならライトは欠かせない。

 レジ袋などの袋を何枚か入れておくと何かと便利だ。ちょっとしたものを入れておくほか、子どもの排せつ物を包んでおくこともできる。保温効果のあるアルミ毛布も小さく折りたためて便利だ。

親子で準備を

 リュックをつくるときは、子どもに「電気も水もガスもない場所に泊まるとしたら、何を持っていく?」などと聞きながら、親子で一緒に考えながら選ぶと、子どもも防災意識を養える。完成したら、親子でリュックを持って車中泊をしたりすれば、リュックの中身が適切かどうか確認できる。小銭や薬、携帯トイレなど中身をより厳選した「防災ポーチ」をつくって、日頃から持ち歩くバッグに入れておくと安心だ。

持病、保護者の連絡先…ぜひ備えたい「情報カード」

 生活用品とは別に、ぜひ「情報カード」を作って、子どもの名前やアレルギーの有無、持病、保護者の連絡先などをまとめておきたい。リュックに入れたり、ラミネート加工して身に着けたりしておくといい。

 「防災ママかきつばた」が作ったカードでは、「頼れる方の氏名」「通っている園や学校、病院」などの欄も設けた。迷子になった場合でも、カードを見れば親や知人に連絡できるし、すぐに連絡がつかなくても生活に欠かせない配慮が一目で分かる。家族写真を添えて、全員で同じものを持てば、はぐれた親を捜すときも役に立つ。