〈えほん〉「ふゆのはなさいた」文・安東みきえ 絵・吉田尚令

(2020年2月7日付 東京新聞朝刊)

(長壁綾子撮影)

 初めての冬を迎えたこねずみは、池の水に涙を落とした。すると、池の中から「なくのはやめてよ」と気の強い金魚が顔を出す。

 「だって、ぼく、ひとりぽっちなんだもの」。ツバメやヤマネとは友達だったのに…。こねずみの説明を聞くと、どうやらひとりぽっちだというのは勘違いのよう。話し合うことで、互いに孤独を感じていた2人に友情が生まれる。だけど、次の日、池の水が凍ってしまって…。

 思い込みや誤解は、対話することで解けていく。大切な人とケンカしてしまった時、思い出してほしい心温まる物語。

 1650円。アリス館=電話03(5976)7011。