自由な外遊びの場「プレーパーク」 新型コロナで運営か休止か… 東京23区、分かれる判断
豊島区「開いて見守る」 感染予防にも配慮
「自分の責任で自由に遊ぶ」がプレーパークのモットー。木登りや穴掘り、たき火などをしたり。常駐する大学生や大人のプレーリーダーが相談に乗り、けがの手当てもする。
豊島区の「池袋本町プレーパーク」では3日午前、小学生や高校生ら約20人が遊んでいた。区の担当者は「開いて、見守ることにした」と話す。運営を委託されているNPO法人「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」の栗林知絵子理事長(53)は「不安を抱え込まず、子どもらしくいられる場は必要」と指摘した。
感染予防には気を配っている。調理器具の貸し出しや菓子などの提供は取りやめた。水道にせっけんを置いて、プレーリーダー2人が手洗いを呼び掛ける。
友達と土を掘り、ダムを造った小学5年の男児は「学校も塾も休みで暇」、6年の男児は「ここなら思い切り遊べる」と話した。3歳と1歳未満の2人の子を連れた会社員の女性(33)は「家ではテレビを見るくらいしかない。子どもの遊び場も閉まっているので」と話した。
品川区は月末まで休止 「休校との一貫性」
練馬区も「屋外で、人が密集する状況ではない」とプレーパークの運営を続けているが、2カ所ある品川区は今月末まで運営を休止している。区の担当者は「休校にして自宅で過ごす呼び掛けをしているのに、人を呼び寄せることは一貫性がない」と理由を説明した。
休止を知らずに来る人らのため、プレーリーダーを置き、相談には応じている。運営を委託されているNPO法人「ふれあいの家おばちゃんち」によると、実際に子どもや家族連れが訪れている。宮里和則理事は「家庭に居づらい子もいる。嵐でも来る子どもたちの顔を思い出すと休止はつらい」と説明する。
区の担当者も、そうした場の大切さは理解できるとし、「何が正解かは分からない。長期化すると状況が変わるかもしれない。手だては考えていく」とも話した。