手洗いの「洗ったつもり」に注意  洗い残しがちなところは? 泡が必要な理由は? コロナ外出自粛をムダにしないために

(2020年4月11日付 東京新聞朝刊)
 新型コロナウイルスの感染予防で、基本となる手洗い。多くの人が実践しているものの、「洗ったつもり」のケースもある。外出自粛の努力を無駄にしないためにも、あらためて正しい手洗い法を確認しておきたい。

こすり合わせるだけでは不十分

 「皆さん『手洗いはしている』と言いますが、案外洗い残しが多い」と話すのは、大手日用品メーカー「ライオン」のヘルスケアマイスター芳賀理佳さん(49)。

 洗い残しが目立つのは、指先や爪、指と指の間、手首。「手をこすり合わせるだけでは不十分」。ライオンで勧めている手洗い法(イラストを参照。同社のサイトでも紹介)で、自分のやり方をチェックしたい。最近は、有名人も手洗いの方法を動画で発信している。楽しみながら続けたい。

衣類に付いただけでは感染しない

 子どものいる家庭は、親子での手洗いがおすすめ。「泡は汚れを吸い寄せる力がある。子どもは泡立てが不得意なので、ぜひ一緒に」。手をふいたタオルやハンカチは毎日取り換え、なるべく人と共有しない。

 帰宅後、手洗い前に照明のスイッチやドアノブなどに触れたり、子どもを抱っこしたりしていないだろうか。「帰宅後は極力、洗面所に直行して。難しい場合は、玄関先に消毒液を置き、まず手指消毒をした後、家に入る習慣をつけて」と芳賀さん。ノブや取っ手なども適宜、消毒する。

 たとえ、衣類などにウイルスが付着してもすぐに感染するわけではない。それを触った手で顔などを触る前に、手洗いをしっかりすることが大切だ。

【手洗いのポイント】  
・洗い残しが多いのは、指先や爪、指と指の間、手首
・せっけんやハンドソープをしっかり泡立てる
・子どもは親と一緒に手洗いを。子どもは泡で出てくるハンドソープがおすすめ
・帰宅後、手洗いの前に、照明のスイッチやドアノブ、エアコンのリモコン、子どもなどに触れない

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年4月11日