高校生の6割「バイト代が減る」 低所得家庭では家計支えているのに…コロナが打撃

上坂修子 (2020年4月16日付 東京新聞朝刊)
 新型コロナ感染拡大による経済活動の停滞で、アルバイトをしている高校生の6割超がアルバイト代が「減る」「なくなる」と答えたことがNPO法人「キッズドア」(東京)の調査で明らかになった。うち約8割が「(月)2万円以上バイト代が減る」と回答しており、低所得家庭の高校生も経済的な打撃を受けていることが浮き彫りになった。

バイトの目的「学校生活に必要なお金」が半数

 「キッズドア」は低所得家庭の子どもへの学習支援事業や居場所作りを実施している。調査は同法人の支援を受けている子どものほか、会員制交流サイト(SNS)で告知し、74人から回答を得た。調査期間は先月末から今月上旬まで。

 約4割が「アルバイトをしている」と回答。バイトをしている人に目的を複数回答で尋ねたところ、「(教材費、修学旅行費など)高校生活に必要なお金」が約5割に上り、「家計への補助」が2割弱だった。

支援NPO「高校生は支援対象から漏れやすい」

 休校などで「学習面で困っていること」を複数で聞いた質問では、最も多かったのが「家で勉強する気が起きない」で7割近く。次いで「勉強が苦手なので、学校がないと勉強するのが難しい」(3割弱)が続いた。

 高校生の保護者110人には「子どもの生活にどんな変化があると思うか」を複数回答で質問。最も多かったのが「ゲームやスマホを使う時間が増えた」で8割弱。「外出する機会が減った」が6割超、「寝ていることが多くなった」が4割超だった。

 渡辺由美子理事長は「低所得家庭の高校生はアルバイトで家計を支えている。バイトができなくなると、経済的に苦しい家庭が出てくる。高校中退になるなど、人生が変わる懸念がある」と指摘。政府は児童手当の受給世帯に子ども1人当たり1万円を上乗せする方針だが、対象は中学生までであることを挙げて「日本では、高校生は支援の対象から漏れがちだ」と強調し、高校生がいる家庭への経済支援を求めた。 

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年4月16日