新型コロナ、保護者の休業補償は1日最大8330円 でもフリーや自営業は対象外…分かりづらい政府支援策

村上一樹、上坂修子 (2020年3月4日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府は小中高校の臨時休校を受けて仕事を休む保護者の収入補償、業績悪化で従業員を休業させた企業への助成金といった支援策を相次いで打ち出した。ただ、支援の対象から漏れる働き方の人もいる。加えて、各府省庁がそれぞれ助成制度を新設・拡充し、利用者にはどんな制度があり、どう手続きを取ればいいのか、分かりづらい状況だ。

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フリーランスや自営業者 支給でなく貸し付け

 厚生労働省は、子どもの世話で仕事を休む保護者の収入を補償する支援策を創設。独自に有給休暇を設けて保護者に取得させた企業には、失業手当の上限と同額の日額上限8330円を支給する。企業の大小、正規・非正規を問わず企業に雇われている人は全員を対象とする。

 ただ、事業主と雇用関係にないフリーランスの個人事業主や自営業者は対象外となる。菅義偉(すがよしひで)官房長官は3日の記者会見で「経営相談窓口の設置や日本政策金融公庫などによる緊急貸し付け・保証枠5000億円の措置を講じる」と述べ、支給ではなく貸し付けで対応する方針を示した。

 厚労省はこのほか、業績悪化により従業員を休業させた企業に支給する「雇用調整助成金」について、感染拡大の影響を受けた企業も対象に加えた。

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参院予算委で答弁する安倍首相=3日午後、国会で

テレワーク促進、シッター利用料の補助拡充も

 職場以外で働く「テレワーク」の促進に関しては、厚労省と経済産業省がそれぞれ助成制度を実施。厚労省は中小企業に対し、通信機器の導入にかかった費用の半分を100万円を上限に補助する。経産省は最大450万円を助成する。

 内閣府は、国が企業に補助する従業員のベビーシッター利用料の上限を引き上げ。小学校の休校を受け、3月に限って一世帯当たり最大5万2800円を26万4000円に拡大した。

 経産省は中小企業や小規模事業者の資金繰り支援も強化。地震や台風の被災地の事業者に対し、金融機関の融資限度額が2倍になる「セーフティネット保証制度」について、全都道府県を対象地域とした。

支援NPOが要望「パートの勤務時間減少にも補償を」

 新型コロナウイルスの感染拡大による臨時休校や企業活動の停滞を受け、低所得家庭の子どもを支援するNPO法人「キッズドア」(東京都)は3日、保護者の勤務時間の短縮に伴う収入減も補償するよう政府に求める要望を発表した。子どもの世話で仕事を休む保護者を対象とする政府の賃金補償制度からこぼれるケースへの手当てを訴えた。

 要望は、営業時間を短縮するスーパーや飲食店の増加に触れ「1日の労働時間が減るパート労働者への補償をどうするのか」と疑問視。「『欠勤ではないから補償しない』では、非正規雇用を対象にした意味がない」と勤務時間が減る保護者も賃金補償の対象に加えるよう提唱した。

 補償金支給の時期については、新入学、新学期を控え「3月中か、できるだけ早期」を要望。非正規で働く人は「情報弱者」になりやすいとして、新制度の周知徹底や経済支援に関する相談窓口の開設も求めた。キッズドアの渡辺由美子理事長は「1万円、5000円がなくて大変な思いをしている子育て家庭はとても多い」と指摘した。

 これに関連し、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい(東京都)の大西連(れん)理事長は本紙の取材に「非正規で働く人は生活が苦しくなったら遠慮なく公的支援を利用してほしい」と生活保護や生活福祉資金貸付制度の活用を促した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年3月4日

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