小児がんの子を応援したい 練馬区の小学生8人、コロナでチャリティーイベント中止…でも「あきらめたくない」
入院してわかった不安とさみしさ チャリティーに参加
「悲しくて、さみしかった」。3年生のころ、肺炎で4日間入院した林直生(なおき)さん(11)は、当時をそう振り返った。点滴がつらいし、病気が怖かった。同じころ、妹なつのさん(8つ)も入院したこともあり、不安で夜は眠れなかった。
翌夏、レモネードを販売して、小児がん治療研究(ちりょうけんきゅう)の寄付を集める「レモネードスタンド」に参加した。米国から日本に伝わったチャリティー活動だ。ちょうど「入院中の子どもたちの手助けがしたい」と思っていたころ。「ぼくもやってみたい」と思いを温めた。
夏休みの課題で「小児がん支援」を研究 チーム結成
夏休みの課題では、小児がん支援を研究した。治療が数年に及ぶことなどを学び、5年生の時には小学生のプレゼンテーション大会で思いをぶつけて優秀賞をもらうことができた。
でも、まだ満たされない。「実際に活動したい」と、学校でのレモネードスタンド開催(かいさい)を提案(ていあん)。実現はしなかったが、妹や仲間たちと昨年11月、「チームNHYレモン」を結成。メンバーの関井まいりさん(11)は自らの入院経験を振り返り、「ほかの子が苦しんで泣いていた。力になりたい」と話す。
レモネードスタンドは中止…でもオンラインで会議!
チームは、この春の地域の祭りにレモネードスタンドの出店を申し出た。店員は何人いるか、店はどんなデザインにするか考え、試作品も作った。菅野柚香(かんのゆずか)さん(11)は「おしゃれなスタンドになるよう、工夫した」と胸を張る。
けれど、コロナ禍でイベントは中止に。集まるのではなく、オンライン会議に切り替えて、できることを探ってきた。田村泰仁(ひろと)さん(11)は「頑張りを無駄にしたくない」、上田杏(あん)さん(11)は「患者は家にも帰れない。私たち以上につらいはずで、何かしたい」と思いやる。藤井佑樹さん(11)は「(オンラインでも)みんなの元気な姿は見える」と張り切っている。
6病院に手作りカード いつかきっと、夢のお店を…
飲食店に募金箱を置いてもらい、売り上げの一部が寄付になる商品を売ってくださいとカフェにお願いした。都内外の6病院に、病気の子どもたちを応援する手作りカードも送った。山田虎之介さん(11)が作ったカードは、「早くいつもの生活に戻るように」との願いを込め、笑顔のイラストが飛び出る仕掛け。
きっといつか、レモネードスタンドの店を出してみせる。チームの結束力は、コロナなんかに負けない。