子どもの声が社会を変えた(2) 通学路の危険な場所にポール設置 品川区の小学6年生

子育て世代がつながる
 今年国連で採択されて30年の「子どもの権利条約」は、子どもが意見を表明する権利を保障し、その意見を尊重するよう求めています。学校で、地域で。子どもたちの声は私たち大人にさまざまなことを気づかせてくれます。
 東京都品川区では、悲しい事故をきっかけに動いた小学6年生の子どもたちの声が、区役所を動かしました。
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設置されたポールを指さす鈴木結女さん(右)ら=東京都品川区で

「ランドセルの厚みで、車をよけきれない」

 「ランドセルの厚みで、車をよけきれない。小さい子がひかれちゃいそうっていつも思っていた」。東京都品川区の中学2年生、鈴木結女(ゆめ)さん(13)ら3人は、小学6年生だった2017年夏、区へスクールゾーンになっている駅前道路の安全対策を訴えた。

 きっかけは同年6月、区内の別の地域で8歳の男児が交通事故で亡くなったことだった。「自分たちの回りにも危ないところはいっぱいある。そのままになっているのはおかしい」

アンケート→実地調査→区に意見書を提出

 危険だと指摘したのは、通学に使っていた東急大井町線の下神明駅改札前の区道。狭く急な上り坂で、駅前で都道にぶつかる丁字路になっている。多くの車はスピードを落とさず上ってきて、幅約60センチの歩道の内側に食い込んで左折する。子どもたちは壁に体を押しつけるようにしてよける。学校で6年生にアンケートを取ると、そこを通る児童の8割以上が「危険」と答えた。

 3人が同年7月に行った実地調査では、1時間に通った車11台中、6台が歩道の白線内に侵入していた。3人は調査結果にアンケートを添え、区へ意見書を提出。さらに、運転手目線での意見を求めて運送会社に呼びかけ、大手のヤマト運輸からも区に働きかけてもらった。

「頑張ったら協力してくれる大人に出会えた」

 区は翌18年2月、白線上に巻き込み防止のため高さ80センチのプラスチック製ポールを2本設置。抜本策とは言えないが、安全に一歩近づいた。鈴木さんらは「小さな変化かもしれないけど、1ミリでも子どものために区が動いてくれた証拠」と話す。「頑張っていたら協力してくれる大人に出会えた。みんなが自分の地域の問題を少しずつ解決していけたら」

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