しみん発 地元川崎産野菜に親子で舌鼓
築100年超の納屋を活用
団体のメンバーは12人。JR南武線の武蔵新城駅=同市中原区=の近くにある建物を活動拠点としている。築百年超の納屋を改修して使われている民間のコミュニティースペースだ。
ここで毎週水曜、親子連れ対象の交流サロンを開催。裁縫を楽しんだり、天然酵母のパンを作ったり、市内産の野菜を使った「ランチの会」を開いたりしている。パン作りや「ランチの会」は参加費が必要で予約制。
ランチ通してママ交流
11月29日に開かれたランチの会は、堀さんが前日にJAの直売所で仕入れた野菜を、メンバーの栄養士川本尚子さん(45)らと調理。ダイコンとニンジンの肉巻き、万願寺トウガラシのみそ炒めなど10品を、ゼロ~2歳の子連れの親子4組と囲んだ。
ゆでたブロッコリーを次々とおかわりする男児の母親は「いつもよりさらに食べてます」とにっこり。堀さんは「収穫してからの時間が短いから新鮮で甘みがあるの。地場の野菜はそこがいいよね」。母親同士が日ごろの食事作りの悩みを打ち明け合うなど、にぎやかなひとときとなった。
堀さんは、かつて生協パルシステム神奈川ゆめコープの理事として生産者を訪ね、商品開発に携わった。大規模農家が「重労働だし、もうからないし、後を継がせたくない」と話すのに衝撃を受けた。子どもたちは田んぼに入ったことがないとも聞いた。
都市の緑とともに生きる
一方、川崎市内では、小学生が授業で苗植えや収穫を体験し、農家が畑を開放してイベントが開かれていた。生産者と消費者が近接するメリットを生かそうと考え、生協の理事仲間や地域子育て支援センターのスタッフを誘い、団体を結成した。
化学洗剤を使わない掃除法や手作りみその講座なども開く。「身の丈で半歩先へ」をモットーに、参加者のできる範囲で都市の緑、ひいては地球環境を守る行動につながればと願っている。
堀由夏(ほり・ゆか)
大学卒業後、幼稚園教諭などを経て35歳で専業主婦に。2004年から11年間、生活協同組合パルシステム神奈川ゆめコープの理事、常任理事。「みどりなくらし」の詳細はホームページで。