瑞穂町を愛する小学生が行政を動かした 西多摩で唯一なかった公式キャラ、ようやく誕生へ デザインと愛称を募集中
布施谷航 (2020年9月5日付 東京新聞朝刊)
東京・西多摩地区で唯一、公式キャラクターがなかった瑞穂町が、町制施行80周年を機にデザインや愛称の公募を始めた。この動きを後押ししたのは「町の知名度を上げるために、キャラクターを作って」という地元小学生の願い。子どもたちの熱意に押され、ようやく行政も重い腰を上げた。町民らに限らず「瑞穂町を大好きな人」の応募も受け付ける。
小・中学生議会で2年連続の要望
子どもの要望が出たのは今年1月、町議会の議場で開かれた「みずほ小・中学生議会」。町内5つの小学校のうち、2校の代表が「町を有名にしたい」「町のキャラクターを作ってほしい」と意見を述べた。こうした要望は2年連続だった。町は子どもたちの思いを感じ、キャラクター作成に踏み切ることを決めた。
瑞穂町に公式キャラがなかったのは「タイミングを逃した」(担当者)から。「ゆるキャラ」ブームで全国にキャラクターが登場するのに前後して、檜原村の「ひのじゃがくん」、日の出町の「ひのでちゃん」、奥多摩町の「わさぴー」など、周辺の自治体で次々と名物キャラが誕生。瑞穂町は西多摩で唯一キャラクターのない自治体となった。
「瑞穗町が好きな人」も応募資格
最後発となってしまったが、公募にかける町の意気込みは強い。応募資格は「町内在住」にとどまらず、「町内在学・在勤」、さらに「瑞穂町が大好きな人」にまで幅を広げて、発信力のあるキャラクターの提案に期待する。デザインは、正面と背後から描かれたものを募集しており、すでに着ぐるみの製作も視野に入れているようだ。
キャラクターは一次、2次審査を経て、住民投票で決める。瑞穂町企画課の職員は「住民と話し合いながら、いろいろな場で町の魅力を伝えたい」と力を込める。
応募は9月30日必着。採用された応募者には賞金10万円を贈呈する。問い合わせは、瑞穂町企画課「瑞穂町公式キャラクター募集担当」。電話は042(557)7469。