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駄菓子店から地域の子を見守る 「リング・リンクくにたち」

(2018年8月28日付 東京新聞朝刊)

小野さん(右から2番目)とスタッフに教えてもらいながらかつお節削りに挑戦する子どもたち=東京都国立市で

 親子がほっとできる場所として、東京都国立市で駄菓子店を営む一般社団法人「リング・リンクくにたち」の代表理事、小野円(まどか)さん(41)。店の常連から運営する側に転身し、子どもたちの学習支援にも活動を広げた。「地域のつながりをつくることで、子どもを見守り、親同士も頼ったり、頼られたりできるようになれば」と話す。

駄菓子や「くにちゃん」引き継いで

 8月初め、同市谷保の古民家を利用したコミュニティースペースのキッチンで、子どもたちが慣れない手つきでかつお節を削り、近くの畑で採れたモロヘイヤを切って、昼食の準備をしていた。学習支援の拠点にしようと昨年開設した「つちのこ学舎」で、夏休み企画として開いた調理体験の催し。隣の部屋では宿題をしている子の姿も。

 リング・リンクくにたちは、子どもたちが気軽に集まれる場所をつくろうと、同市富士見台にオープンした「駄菓子や『くにちゃん』」を運営するため、2012年に設立された。スタッフは、地元の学生や女性ら約20人。国立市の助成金などで運営している。

 3児の母の小野さんは、店に長年通う常連だった。前代表理事で「くにちゃん」を始めた同市の吉村多恵子さん(74)に薦められ、昨年5月に後任を引き受けた。吉村さんに涙ぐみながら育児相談をする母親や、成長していく子どもたちを見るうちに「この場所を残したい」という使命感を抱いた。

 多い日は、100人もの子どもや親が店を訪れる。「いつも友達と来る子が今日は1人だな、と気付くと、公園を自転車で回ってみます」と、子どもたちの心に気を配る。世間話をするうちに、悩みを打ち明ける親も増えてきた。

 代表理事に就任した後、つちのこ学舎を開いた。客として店に通っていた当時、勉強についていけなくなったことをきっかけに友達関係に悩み、学校を休みがちになる子どもたちに接して、学習支援の大切さを痛感したからだ。

 ある子は学校を休みがちだが、店には毎週顔を出し、つちのこ学舎の体験に来てくれることになった。子どもの居場所と学習支援の連携が深まりつつある。

おの・まどか

静岡県出身。早稲田大卒業後、イベント会社に就職し、結婚を機に千葉県に。2011年国立市に転居し、16年に地域で学習支援を開始。17年に「リング・リンクくにたち」代表理事に就任。問い合わせはこちらへ。活動資金の寄付も募っている。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2018年8月28日]