〈えほん〉「きつね山の赤い花」 作・安房直子 絵・えがしらみちこ
長壁綾子 (2022年2月4日付 東京新聞朝刊)
お豆腐屋さんのゆみ子はおままごとが大好きな女の子。ある日、ゆみ子が菜の花畑を歩いていると、花の中から歌声が聞こえてきた。そこには頭に赤いリボンをつけた子ぎつねがぺたんと座って、歌っている。子ぎつねは土の上に、木の葉を並べ、緑の食器に変身させていく。ゆみ子はたまらず声をかけ、一緒におままごとをはじめる。
優れたファンタジーを紡いできた著者による心懐かしい物語。菜の花の黄色や、きつね山の赤いツバキなどが色鮮やかにみずみずしく描かれる。
1540円。マイクロマガジン社=電話03(3206)1641。