〈中倉彰子さんの子育て日記〉22・成長の雑巾リレー
拭き掃除 ガラス→床→おもちゃ→スプーン!
年末といえば「大掃除」。毎年、ちょっと憂鬱(ゆううつ)でしたが、今回はいつもより早めに行動。掃除に関する本を読んで試してみることにしました。
ガラス拭きは、読み終えた新聞紙を使うと汚れがよく取れる。床掃除は、バケツに雑巾を何枚も入れておくのがコツ。時間短縮になる。
夢中で取り組んでいると、「私もやる」と長女のマイ(8つ)が手を挙げました。次女のマキ(5つ)と長男のシン(3つ)も、面白そうな事をやっているぞ、とやってきました。
いつの間にか、マイがバケツで雑巾を洗って絞る係に。「はい、きれいな雑巾あるよ」と、まるでお店屋さんのような掛け声。マキとシンは、その雑巾で床やドアを拭き、汚れたら、またマイの所に戻ってくる、という連携プレーが生まれました。あちこち楽しそうに拭くマキシンチーム。「これはけっこう戦力になる」と感動する私。
しばらくすると、子どもの部屋から、パパの驚きの声が。「シンがおもちゃのブロックを拭いてる!」。以前、パパが拭いていたのを覚えていたよう。「おもちゃに感謝をしながら拭こうね」とパパ。シンもまんざらではない様子。と、そこまではよかったのですが…。
しばらくすると、台所からパパの悲鳴が。
「シンが、スプーンを雑巾で拭いてる!」。食卓テーブルの上の箸かごの中から出した箸やスプーン、フォークなどを、一本一本丁寧に拭いていました。
これには皆、大笑い。「口に入れる物は雑巾では拭かないんだよ」。雑巾と布巾の違いは、3歳児には難しかったかな。
怒るより、背中で伝える
「やりなさーい」と怒ってばかりいないで、まず私が行動したほうが伝わることもあるのかもしれません。
今年1年を振り返ってみると、マイは朝、自分から時間を意識して登校できるようになった。マキは、逆上がりや縄跳びが得意に。シンは相変わらずイタズラ好きだけど、お菓子を買うとき「マイちゃんとマキちゃんのも買ってあげる」と、姉たちのことを思いやれるようになってきた。
3人3様の成長を感じた2013年。来年は、どんな成長を見せてくれるかな。私は女流棋士として来年こそは勝ちまくるぞ。掃除をしながら、雑巾を絞る手に力が入りました。(プロ棋士)