〈えほん〉「鳥は恐竜だった 鳥の巣からみた進化の物語」作・絵 鈴木まもる

(2022年9月16日付 東京新聞朝刊)

(長壁綾子撮影)

 鳥は卵を産み、ヒナを育てるために、自分に合ったさまざまな場所に巣を作る。鳥の巣研究家の作者は、ある鳥の巣を見たときに温かな気持ちになり、「なぜこんな形をしているのだろう?」と不思議に思った。この疑問を出発点に、恐竜が鳥へ進化する過程を、鳥の巣と巣作りの行動から解きほぐす。

 巨大隕石(いんせき)が地球に衝突し、恐竜は絶滅してしまったのに、鳥たちは生き残り、恐竜は鳥に進化した。鳥たちの暮らしぶりを精緻に描き、生きものが必死に命を守り、育て、受け継ぐことの大切さを伝える。

 1980円。アリス館=電03(5976)7011。