〈えほん〉「モナのとり」作・サンドラ・ポワロ=シェリフ 訳・水橋はな

(2022年8月12日付 東京新聞朝刊)
写真

(長壁綾子撮影)

 戦争をしている国から逃げるために、フランスにやってきたモナ。「はなばたけだんち」に住んでいて、日曜日の朝はいつもお父さんと走りに行く。フランス語の書き取りは得意だけれど、算数は苦手。学校のお友だちと遊ぶのも大好き。

 だけど、モナには昼も夜も、どこへ行く時も黒い鳥がついている。お父さん、お母さん、クラスメートのモーリシオにも。楽しいこともあるけれど、何の権利も持たない生活はしんどい。

 難民の少女が主人公。「黒い鳥」は少女らの不安を表す。平和の尊さについて考えさせられる。1760円。新日本出版社=電話03(3423)8402。

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