〈23区の新年度予算案から〉大田区 フードドライブ推進、子ども食堂や支援団体に配送
山下葉月 (2023年2月9日付 東京新聞朝刊)
〈2023年度予算案〉大田区は、新型コロナ禍や物価高騰を背景に困窮者が増えたことなどを受け、家庭で余った食品を福祉団体などに寄付する「フードドライブ」を推進するなど、食を通じた困窮者支援を強化する。新規の「おおたフード支援ネットワーク事業」に894万円を計上した。
食を通じた困窮者支援を強化
活動の中心となっていた大田区社会福祉協議会と区が手を組み、事業を社協に委託する形をとる。集まった食品はボランティアが仕分けし、区内約40カ所のこども食堂や支援団体などに配送。ボランティアの養成や募集にも力を入れる。区が主体的に関わることで区民や企業が参加しやすくする狙いもある。松原忠義区長は「今までは社協が中心だったが、区が一緒にやることでより充実してできる」と強調した。
また、ボランティアが生活困窮世帯などに食品を届ける中で、早期に悩みを発見する「ほほえみごはん事業」に1400万円を計上。JR・東急電鉄の蒲田駅と800メートル離れた京急電鉄の京急蒲田駅に接続する蒲蒲線(新空港線)の整備や沿線まちづくりに16億円以上を盛り込んだ。
一般会計は2022年度比4.6%増で過去最大となった。