子どもの性被害防止へ 東京都が専用の電話相談窓口を新設 埼玉県警と千葉県警は合同キャンペーン

中山高志、足立優作 (2023年9月27日付 東京新聞朝刊)

記念撮影をするマスコットたちと埼玉県警の澤田少年課長(中央左)、千葉県警の石坂明敏少年課長(中央右)と越谷南高校吹奏楽部の生徒ら=越谷市のイオンレイクタウンで

都議会で小池知事「全力で取り組む」

 ジャニーズ事務所の性加害など社会問題化している子どもの性被害について、東京都は専用電話相談窓口を新設する。26日の都議会代表質問で、公明党の小林健二議員の質問に小池百合子知事が答えた。

 これまで「東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター」で、子どもも含めた性被害の電話相談を24時間・365日体制で受けていた。子どもや保護者がより利用しやすくするために専用窓口を新たにつくる。今後詳細を詰め、各学校を通して周知する。小池知事は「全ての子どもの人権が守られる社会の実現に向け、全力で取り組む」と述べた。

埼玉・千葉県警「性暴力を許さない」

 埼玉県警生活安全部少年課と越谷署は26日、越谷市のイオンレイクタウンで、若者と子どもの性被害防止を啓発するキャンペーンを実施した。隣接する千葉県警の警察官など約70人が参加。千葉からレイクタウン、埼玉から千葉県浦安市の東京ディズニーランドなどと両県間では若者の往来も多く、両県が互いに連携を強める狙いがある。

 キャンペーンでは越谷南高校吹奏楽部による演奏や、千葉県警の「シーポック」、埼玉県警の「ポッポくん」、県の「コバトン」の各マスコットキャラクターが会場を盛り上げた。埼玉県警は、訪れた観客らに、性被害に遭った際のホットラインが書かれたチラシや、防犯用のホイッスルを配布した。

 埼玉県警の澤田好一少年課長は「社会全体に子どもや若者への性暴力を許さないという認識を広めるとともに、イベントを通して、相談窓口を多くの人に知ってもらいたい」と語った。埼玉県警では性犯罪被害者の相談先として、相談電話「#8103(ハートさん)」などを設置している。