八王子市、高校生の医療費無償化で所得制限を撤廃へ 2024年度から
昆野夏子 (2023年12月15日付 東京新聞朝刊)
八王子市は高校生の医療費無償化について、来年度から所得制限を撤廃する。多摩地域では今年4月の無償化開始当初、所得制限を設けるかどうかで各市の判断が割れていたが、10月に立川市が所得制限を無くすなど撤廃の流れが広がっている。
立川市に続き、多摩地域で撤廃の波が
高校生の医療費無償化は東京都が本年度から実施しているが、所得制限(4人家族で年収約960万円)や通院時の自己負担(200円)の有無は各自治体がそれぞれで判断する仕組み。撤廃する場合は各自治体が自主財源で行う必要がある。
八王子市は来年4月から、年7800万円の財源を充て、所得制限を撤廃する。無償化の対象者は約3200人増え、約1万3300人となる見込み。石森孝志市長は、開会中の市議会定例会前の記者会見で「妊娠期から切れ目のない支援を進め、子育てしやすい自治体ナンバーワンを目指している。子育て支援の一環で、継続的に助成していく」と話していた。
23区は一律撤廃 市長「本来は都で」
所得制限を巡っては23区が制度開始当初から一律で撤廃を実現する一方、多摩地域では財政力の違いで判断が分かれている。
石森市長は「本来は都の事業として所得制限を撤廃してほしいと、先頭で交渉してきた。(撤廃を要望する)市民の声が多くあり、決断した」としている。