「ママのお尻から血が…」小さい子に生理のことを聞かれたら?〈性教育10の悩みに答えます④〉
東京すくすくは、開設3周年を記念して、気になるテーマを楽しく学べるオンライン講座を企画しました。第1弾は「性教育」です。講座〈教えて!サッコ先生 性教育10の悩みに答えます〉で取り上げた質問を、記事でもテーマごとに紹介します。小学生と保育園児の女の子を育てるお母さんからの質問です。
質問4. 幼い娘に私の生理のことを何度も聞かれて困ります
生理中に子どもと一緒にお風呂に入ったときに「お尻から血が出てる!」と言われることがあります。外出中のトイレだと、他の人に聞かれるかなと思うと説明もしにくかったり、何度か続くと説明自体がおっくうで、めんどくさくなってしまったりします。
本や絵本で、正確な情報をサラッと
サッコ先生 何回も聞いてくるというのはきっと、納得のいく説明をまだできていない、聞けていないから、ということだと思うんですね。ですから、一度、本などを使って正確な情報を科学的にサラッと伝えることをおすすめします。たとえば「性の絵本 みんながもってる たからものってなーんだ?」(たきれい著・高橋幸子監修、KADOKAWA)という絵本には、月経の仕組みなどが分かりやすく簡単に書かれています。
何回も聞いてくるということは、それだけ知りたいということなので、伝えるチャンスだととらえてください。上手に説明するのは難しいと感じるときは、今はたくさんの種類の性教育の本が出ているので、ぜひ活用してください。自分の口で説明しなくても、月経の仕組みや、周りの人がどのようなサポートをしてあげられるのかについて書いている本をお子さんと一緒に読むことで、いろいろなことが伝えられます。
トイレやお風呂は性教育のチャンス
私たち産婦人科医、女性医師たちは、トイレやお風呂は「性教育の大チャンスゾーン」だと思っています。お風呂で「血が出てる!」と子どもに指摘されたら、「よしきた、チャンス!」と張り切ります。
「女性の体の中には、赤ちゃんが来てもいいように、毎月赤ちゃんのベッドが用意されるんだよ。でも赤ちゃんが来なかった月にはそれが作り直される。リフォームされて、毎月赤ちゃんが来るかもしれない、って準備をしてるんだよ」
こんなふうに話してみるのはどうでしょうか。納得すれば、出先で何回も聞いてくることもなくなります。前向きに「今だ!」と思って伝えてみてください。
高橋幸子(たかはし・さちこ)さん
「趣味・性教育、特技・性教育、仕事・性教育」の産婦人科医。愛称は「サッコ先生」。埼玉医科大で医師として思春期外来などで診察に当たるかたわら、全国各地の学校などで年間120回以上性教育の講座を行う。家庭でできる性教育も支援しようと、サイトの監修や本の出版もし、多角的に活動する。著書に『サッコ先生と!からだこころ研究所 小学生と考える「性ってなに?」』(リトルモア)。
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